カテゴリ:ドラマレビュー!
TBS「アンチヒーロー」が終了。
明墨の手法は、 みずからが犯罪者になる捨て身の戦術。 証拠隠滅から文書偽造まであらゆる手段を使った。 伊達原が文書の偽造で冤罪を生み出したように、 明墨も文書を偽造によってそれを暴いたってこと。 そうでもしなければ、 巨悪は追い込むことはできなかったし、 冤罪に加担した罪悪感からも逃れられなかったのね。 ◇ 結局、緋山は殺人犯でした。 名前に色のついたキャラは、 全員が明墨サイドの人物でしたが、 やはり《緋色=スカーレット》は、 犯罪に関係する名前だったみたいです。 朝ドラ「虎に翼」の岩田剛典は、 法を順守して餓死してしまう役でしたが、 こちらのドラマでも、 法だけじゃ人間を守れないことが示された。 場合によっては、 法を破らないと真実にたどりつけない。 法は完全じゃないし、 法だけじゃ正義を守れない。 実際、 巨悪は暴かれて冤罪は晴らされたけれど、 ボツリヌストキシンで一家を毒殺した犯人は、 いまもどこかで生き延びてる。 法の網をくぐる悪も存在するし、 法を逆手にとった悪も存在します。
◇ ある意味で、 巨悪との戦いは世代間の争いでもありました。 明墨&桃瀬&緑川 という同期の3人が、 上の世代の組織犯罪を暴くために、 組織の枠を超えて横に繋がり続けてたのですね。 現実にも、 世代交代によってしか覆らない犯罪があるはず。 とくに縦の組織によって隠蔽された犯罪は、 組織の枠を超える横の繋がりがないと暴けないし、 そのときには世代的な連帯が意味をもちます。 ◇ 奇しくも、この図式は、 日テレの「花咲舞が黙ってない」と同じですね。 銀行の組織的な闇を暴くために、 相馬&川野&昇仙峡 という同期とその恋人の3人が、 立場を超えて横に連携していました。 こちらの場合は、 銀行の組織そのものが、 "エリア51"なる犯罪を隠蔽する人脈で形成され、 その共犯者にならないと出世できない仕組みだった。 紀本に接近していた昇仙峡は、 伊達原に接近していた緑川と似ています。 巨悪を暴くべく10年かけて内部に潜り込んでいた。 伊達原に取り入った緑川。 ◇ 上の世代の罪が重ければ重いほど、 下の世代の負担やコストは大きくなり、 無駄な時間とエネルギーを費やさざるをえなくなる。 明墨の犯罪は、世代悪を浄化するための必要悪でした。
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最終更新日
2024.06.22 19:01:59
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