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まいかのあーだこーだ

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2024.07.07
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時代劇「広重ぶるう」を見ました。

製作はNHK&松竹。

脚本は「くるり」の吉澤智子。
主演夫婦が阿部サダヲ&優香で、
版元の竹内孫八を演じたのは高嶋政伸。

今年3月に放送した110分のBSドラマを、
総合では全3回に分けたようです。



長塚京三が、
7年前の「眩」に続いて北斎を演じてました。
あのときは、やや迫力に欠けたのだけど、
今回はギラギラした北斎の狂気を感じさせていた。

娘の応為(お栄)を演じたのは、
あおいちゃんではなく、中島ひろ子。
ちょっと下品な雰囲気が、
より応為の実像に近かったかもしれません。




葛飾北斎はクレイジーな天才だった。
歌川国貞はビジネスに徹した美人画の職人だった。
それに対して、
歌川広重は平凡な良識人だった…という設定です。

本来は火消を生業とする下級武士で、
最初は副業として絵を描いてたらしい。
年下の叔父に家督を譲ってから専業の絵師になった。

凡庸な下級武士の男が、
出来すぎた武家育ちの奥さんや、
有能なプロデューサーとなる版元の力を借りて、
名所絵の揃物「東海道五十三次」で成功を収める。



善良なおしどり夫婦の物語だから、
松竹のホームドラマには最適な題材だったのね。

ただ、
松竹の芸風なのか知りませんが、
カメラがいちいちズームを使うのがところどころ目障りでした。




妻の加代はこう言います。

主人は、
大袈裟に女の人を描いたり、
あり得ない姿勢の格好のよい役者を描くことができないんです…


一方、
版元の竹内孫八は次のように皮肉ります。

甘くて馬鹿正直な、
つまらねえ御亭主をもってお可哀想に。
つましく暮らす、つまらぬお人ゆえ描ける絵もございましょう。
絵を買う者も、つましく暮らす、つまらぬ民でございますれば。


いうならば、広重の作品は、
「凡人の凡人による凡人のための名所絵」
ってこと。

きわだった美女や役者のブロマイドじゃなく、
平凡な市井の人々の平凡な姿を、
美しい名所絵のなかに織り込んだわけですね。

後世に「広重ブルー」と称賛される色彩も、
広重自身の手腕というよりは、
有能な刷り師職人の技にゆだねた結果のようでした。



なお、
北斎の「富嶽三十六景」も、
広重の「東海道五十三次」も名所絵ですが、

竹内孫八の話によれば、

十返舎一九の「東海道中膝栗毛」が世に出てから、
伊勢だ富士山だって神仏に手を合わせると言い訳つけりゃあ、
誰でも旅に出られるようになった。


…という背景があったらしい。
関所の取り締まりが緩和されたのでしょうね。



ところで、広重一家は、
慎ましい暮らしを強いられていたとはいえ、
いちおうは武士の身分なので、
売れっ子の北斎父娘よりマシな家に住んでました。

北斎父娘は、
掘っ立て小屋みたいな汚い家に、
たくさんの弟子たちと共同生活してましたね。

まあ、
北斎の場合は引っ越し魔だったので、
たんに定住志向がなかっただけかもしれませんが。



ちなみに、
広重の未完の遺作「名所江戸百景」は、
安政の大地震からの復興を祈念した作品だったっぽい。

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最終更新日  2024.07.14 00:42:13


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