カテゴリ:政治
NHK「ヒューマンエイジ 人間の時代」
第4集《性の欲望》を見ました。 こういうテーマを取り上げることは評価するものの、 現状の問題らしきものを脈絡なく取材しただけで、 番組としての明確な主張はとくに感じられなかった。 ◇ 人類の性行動から繁殖期が消滅した理由。 なぜ人間は一年中セックスをするようになったか。 二足歩行をするようになり、 女性の骨盤が狭くなった結果、 未熟な子供が生まれるようになり、 その子を夫婦で育てる必要が生じ、 夫婦の絆を強めるために、 生殖のためのセックスではなく、 愛のためのセックスをするようになった …みたいな話でした。 そして、 それを《一夫一妻制》の根拠にしていましたが、 いささか疑わしい理屈だなと感じます。 ◇ そもそも人間のオスは、 子育てに参画してるというより、 ただ餌をもってきてるだけでしょ。 そして、そういう行動なら、 人間以外のオスもやってるのでは? ▶ オスが育児をする意外な動物 オスに餌をもってきてもらうために、 夫婦が愛のセックスをするようになったのも、 たしかにありえる話ではあるけれど、 それが《一夫一妻制》の根拠だとは飛躍にすぎる。 ◇ 一夫一妻制を、 まるで人間の本能と見なすかのような主張は、 まるで統一教会みたいで、 ちょっと怪しいイデオロギーに見えるのよね。 そもそも… 人間の女性は、 1人の男性に愛されたいと望む人が多いけど、 人間の男性は、 多くの女性を愛したいと望む人が多いのは何故か。 その非対称性をどう説明するのでしょうか? かりに一夫多妻制であっても、 愛のセックスをすることによって、 オスからの餌の供給を期待することは可能でしょう。 実際、そういう形で成立してる共同体はあるのだし。
◇ 一方、現状の人間社会を見ると、 愛のセックスが夫婦の子育てに繋がってるとは思えない。 愛のセックスに現実的な効用がなくなってるなら、 それが消滅しても何ら問題はないし、 それがバーチャル化しても何ら不都合はないのでは? ポルノ依存やAIセックスのせいで、 心因性のEDになる男性が多いのが問題だとすれば、 それは愛のセックスが消滅するからではなく、 むしろ生殖のセックスが消滅するからですよね。 つまり、少子化を加速させてしまう。 愛のセックスなんてのは、 それを望む人どうしがすればよいことであって、 ポルノ依存やAIセックスが加速することに、 さほどの問題があるとは思えません。 むしろ、 AIセックスが自殺や性犯罪を抑止するのなら、 その効果にこそ積極的な意味があると思える。 ◇ 未来的な展望についていえば、 愛のセックスがバーチャル化する一方で、 生殖のセックスは人工化されていく可能性がある、 …ってことだろうと思います。
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最終更新日
2024.07.13 13:04:57
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