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まいかのあーだこーだ

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2024.07.18
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NHKの日曜美術館。
「若冲 よみがえる幻の傑作〜12万の升目に込めた祈り」
を見ました。



伊藤若冲の「釈迦十六羅漢図屏風」は、
縦横に方眼紙みたいな線を引いてから、
その枠内に色を置いていく《枡目描き》の作品。
彼独自の技法だそうです。

西洋の点描画も、
もともとデジタルっぽい表現だと思うけど、
若冲の升目描きは、
それ以上にデジタルな発想の表現です。

12万もの升目を塗っていくクレイジーな作業。
それを江戸時代の人間が手描きでやっていた。

精神科医の華園力なら、
自閉スペクトラムの反復作業と言うでしょうが、
▶ 伊藤若冲とアンリ・ルソーの自閉スペクトラム。
美術史家の山下裕二は、
これを「写経のような作業」だと言ってました。



しかし、
この屏風は大阪の空襲で焼失してます。

今回の番組では、
小さな白黒写真をもとに、
それを"現代のデジタル技術"で復元したのですね。

その結果わかったのは、
「釈迦十六羅漢図」&「樹花鳥獣図」
という、
同時期に描かれた2つの升目描きの屏風が、

それより前に相国寺へ寄進された、
「釈迦三尊像」&「動植綵絵」
のセットに相当する、
…のではないかってこと。

つまり、

相国寺において、
中央の「釈迦三尊像」と、
左右の「動植綵絵」が配置されたように、

どこかの黄檗おうばく宗の寺院でも、
中央の「釈迦十六羅漢図」と、
左右の「樹花鳥獣図」が配置されただろう、
…ってことですね。



3年前にドラマ「ライジング若冲」を見たとき、
わたしが思ったのは、
若冲の絵が「神の世界なのか仏の世界なのか分からない」
…ということでした。
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/202101060000/

この場合の「神と仏」は、
神道と仏教のことではなく、道教と禅宗のことです。


「釈迦三尊」は仏(禅宗)の世界だけれど、
「動植綵絵」は神(道教)の世界に見えたのよね。

しかし、
今回の番組を見て、黄檗宗のことを調べてみたら、
だいぶ分かってきた気がする!



Wikipediaによると、
黄檗宗は、臨済宗から独立した禅宗の一派。
そして、禅宗そのものが、
もともと道教と関係が深いってことらしい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/禅宗
中国では老子を開祖とする道教との交流が多かったと思われ、老子の教えと中国禅の共通点は多い。

その意味では神仏が習合(?)した世界なのね。



当時の芸術サロンの中心人物だった売茶翁も、
やはり黄檗宗の僧侶でした。

売茶翁が、
形式化してしまった禅僧の茶道を批判して、
《茶本来の精神》に立ち返ろうとした姿勢は、
臨済宗から派生した黄檗宗が、
《臨済正宗》を名乗ったことに通じるのかもしれない。




はたして、
「釈迦十六羅漢図」&「樹花鳥獣図」の屏風セットが、
どこの寺院に飾られていたかは分かりませんが、

黄檗宗の本山といえば、
京都の宇治にある黄檗山萬福寺。
そして若冲と縁が深いのは伏見にある石峰寺です、
https://ja.wikipedia.org/wiki/石峰寺
石峰寺の境内裏山にある五百羅漢の石像群は、安永年間(1772年 - 1781年)から天明年間(1781年 - 1789年)にかけて絵師の伊藤若冲が下絵を描き、当寺の住職密山修大と協力して制作した「若冲五百羅漢」としていまも親しまれている。当時は千体以上あったが、現在四百数十体が残っている。
また観音堂の格天井には若冲が天井画を描いたが、観音堂は幕末の安政6年(1859年)以前に破却され、天井画は寺外に流出。現在は信行寺(左京区)や義仲寺(大津市)が所蔵している。
若冲は寛政2年(1791年)に石峯寺門前に草庵を設けて隠棲していたが、寛政12年(1800年)9月10日、85歳の生涯をその草庵で閉じ、同寺に葬られた。当寺には若冲の墓があり、平成12年から毎年9月10日に若冲忌を営んでいる。


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最終更新日  2024.07.29 17:44:45


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