カテゴリ:NHK朝ドラ
朝ドラ「虎に翼」第21週。
夫婦別姓や同性愛の問題が取り上げられてます。 ◇ 寅子は、最初の結婚のときは、 社会的地位を得るために夫の姓を名乗ったけど、 いまはむしろ、 優三の妻だった過去を捨てないためにも、 社会的地位を築いてきた経歴を消さないためにも、 佐田姓を維持したまま結婚したいと思ってる。 航一のほうも、 > 僕は優三さんの代わりになるつもりはありません。 > あなたを照子の代わりにもしない。 > お互いにずっと彼らを愛しつづけていい。 …と言ってたわけだから、 それぞれが旧姓のまま結婚するのは合理的です。 しかし、法律がそれを許さないのね。 ◇ 江戸時代まで、 庶民は苗字をもってなかったので、 同姓/別姓が議論になることもありませんでした。 しかも、 明治政府の最初の規定(明治9年)も夫婦別姓だった! それが夫婦同姓に変更されたのは明治31年のことです。 《我が国における氏の制度の変遷》 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji36-02.html 徳川時代:一般に農民・町民には苗字=氏の使用は許されず。 明治3年:平民に氏の使用が許される。 明治8年:氏の使用が義務化される。 明治9年:妻の氏は「所生ノ氏」(=実家の氏)を用いることとされる(夫婦別氏制)。 明治31年:夫婦は家を同じくすることにより同じ氏を称することとされる(夫婦同氏制)。 昭和22年:夫婦は婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称することとされる(夫婦同氏制)。 ◇ また、江戸時代までは、 男色が当たり前のように行われていました。 それが禁じられたのは明治4年のこと。 これも当時の「欧化政策」のひとつです。 西欧キリスト教社会の価値観を模範とするなかで、 夫婦別姓とおなじく、同性愛も禁じられたわけです。 日本では江戸時代まで、同性愛に対して寛容な考えを持っている風潮がありました。しかし、江戸時代中期には、主君よりも男性の愛人を大事にしてしまったり、美少年を巡ってトラブルが起こったりしてしまい、風紀を乱すとして同性愛に対し厳重な取り締まりが行われるようになってしまいました。昔は寛容だった同性愛への風向きが変わってしまったのは、この辺りからです。 ◇ いまでこそ、 異性愛・夫婦同姓が当たり前になって、 同性愛や夫婦別姓は特殊なことと思われてますが、 当時はまだそれが当たり前じゃなかったし、 そうした規定が存在しない江戸時代の記憶も残っていた。 したがって、 西欧を模範にした規定に違和感をもつ人たちはいた。 ◇ 大正時代の浅草を舞台にした、 去年のNHKの「探偵ロマンス」にも、 女装した男娼が登場してました。 また、 戦前の森鴎外や戦後の三島由紀夫は、 どちらも高級官僚だったわけですが、 『ヰタ・セクスアリス』や『仮面の告白』には、 当時の同性愛の赤裸々な実態が描かれてます。 すなわち、これは国家的な問題だった。 まして、 民法の制定に関わった法曹関係者ならば、 同性愛・同性婚の是非、 夫婦別姓の是非について考えたのは当然です。 それは、 「近代国家として何を選択すべきか」という問題であり、 けっして自明の話ではなかった。 ◇ 同性婚や夫婦別姓の容認は、 近代日本が押しつけた西欧的な価値観を、 もういちど伝統的な文化の姿に戻す面をもってます。 にもかかわらず… 馬鹿なネトウヨなどは、 夫婦同姓だの、同性愛の禁止だのが、 あたかも日本古来の伝統であるかのように主張してる。 そして、それこそが、 韓国の統一教会の主張とよく似てるのです…(--; お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.23 14:19:57
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