テーマ:政治について(20209)
カテゴリ:政治
NHKスペシャル「第四の被ばく」を見ました。
率直にいえば、 「変なものを見てしまったな」という感想です。 だいぶ白々しい内容でした。 松尾スズキのナレーションが、 その白々しさに拍車をかけていた。 ◇ 1958年に、 アメリカの水爆実験により、 急性骨髄性白血病の死者の出たことが、 すなわち「第四の被曝」であることは、 日米の政府も、 NHKを含めたマスコミも、 ことによったら被害者の方々も、 みんな分かっていたことだと思う。 しかし、 それをグルになって隠してきたのよね。 ◇ 1954年の第五福竜丸漁船との違いは、 被害者が海保の国家公務員だということ。 (読売新聞と南日本新聞の記者も同乗) この被害は国家によってコントロールされてきた。 遺族の方は、 「いっさい補償などは受け取っていない」 と仰るけれど、それは本人の弁であって、 一種の口止め料のようなものとか、 国による便宜があったとしても不思議じゃない。 ◇ いちばん不可解なのは、 死亡者とは別の乗組員の方が、 「調べもせずに歯だけ取っておいた」という話。 何故それを今まで調べなかったの? 70年もの時間があったのに。 …というより、 日米政府がそれを調べてないはずがない。 政府が調べようとしないなら、 マスコミに調べさせることも出来たはずだし、 弁護士に調べさせて提訴することも出来たはず。 ◇ そもそも政府は、 死亡者の遺骨も調べてるわけだから、 そこからも高い放射線量が測定されてるよね。 なんなら、今でもどこかに、 その遺骨や歯は保管されてることでしょう。 現在の研究者たちは、 高い放射線量が示された理由について、 「フォールアウト(死の灰)が原因だろう」 と即座に答えてましたが、 そんなことは当時の研究者も分かってたはず。 分かっていながら、 そのことにはあえて言及せず、 「船の放射線量と被爆者の異常数値は矛盾してる」 などと言って誤魔化してきたわけよね。 ◇ 放射線量の測定結果について、 93才の遺族の女性に伝えようとしたら、 もはや話もできないほど衰弱していて、 その4日後に亡くなった。 …これまたストーリーが出来すぎてる。 つまり、 このタイミングをはかってたわけでしょ。 政府も、マスコミも、関係者も。 それは、 遺族が亡くなるタイミングかもしれないし、 黒い雨訴訟が決着するタイミングかもしれない。 ◇ おそらく、 1958年の「第四の被曝」は認めても、 それをグルになって隠蔽してきたことは、 今後もずっと隠しつづけたいのでしょう。 そういう思惑が透けて見える番組でした。 そうでなければ、 もっと取材できることは沢山あるはずです。 ほかの乗組員からの証言だって取れる。 でも、言えないことが多いのでしょうね。
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最終更新日
2024.09.23 05:06:16
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