カテゴリ:NHK朝ドラ
NHK「虎に翼」第25週では、
もろもろの毒親の類型が出揃った感じ。 尊属殺を犯した美位子も、 毒親に苦しめられた女性だけれど、 東京で自殺した美佐江も、 毒親のせいで人生を狂わせた女性です。
◇ 美佐江の父親は新潟の大地主で、 その権力に物を言わせて、 法律やルールをねじ曲げるような人間だったし、 地域社会もその横暴を許してしまっていた。 そのような父親を見て育った美佐江も、 「自分は罪を犯しても許される特権的な人間だ」 と思い込んだようです。 しかし、 上京して特権を失ったことに絶望して自殺。 程度の差はあれ、 権力者の子供にそういうタイプの人間はいます。 ◇ 寅子や航一も、 ある意味では毒親だったと思う。 でも、彼らの場合は、 自分の罪に向き合うことで、 子供との関係をつくり直すことができた。 完璧な親にはなれなくても、 自分の罪に向き合う姿勢を見せるだけで、 子供との信頼関係は取り戻せる。 親が自分の落ち度に向き合わなければ、 子供は親が信用できないまま歪んでいくし、 大人社会がその罪に向き合わなければ、 若者たちは社会が信用できずに歪んでいく。 ◇ しかし、 日本をふくめ東アジアの社会には、 よからぬ儒教精神が根深く残ってて、 自分の罪に向き合おうとする大人が少ない。 日本の神社本庁や、 韓国の統一教会なども、 「家や親や夫を敬うべきである」 といった儒教的な価値観に縛られてます。 統一教会は、 表向きはキリスト教の体裁を取ってるけど、 その内実は、きわめて韓国的な儒教思想であり、 「夫婦別姓を認めたら家が破壊されてしまう」 などと主張してます。 ◇ 尊属殺の重罰規定も、 そのような儒教的な発想から生まれている。 尊属殺人罪を規定する刑法は、大韓民国や中華民国(台湾)、フランスなど、わずかな例をみるだけである。。韓国では尊属殺の刑が重すぎるという論議の結果、1995年の刑法改正で「死刑または無期懲役」から、「死刑または無期懲役または7年以上の懲役」に軽減されたものの尊属殺の規定自体は残っている。 尊属殺は、 他の犯罪に比べて再犯率が低いのだから、 それを重罰にする科学的な合理性はないのだけど、 儒教的な精神に照らせば、 「尊属」に当たる親を殺すのは大罪になってしまう。 しかし、これは近代的な「平等」の理念に反します。 ◇ そもそも、 親や夫を「尊属」とみなす発想が間違いですよね。 人間は女であろうと子であろうと平等なのだから。 たとえ親や夫であっても、 自分の罪には等しく向き合わなければなりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.22 16:47:48
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