恋心 夏目漱石
年末から正月にかけて夏目漱石の本を読みました。 若いころ’こころ’を読んだことがあります。友人Kが自殺するはなしだと記憶していました。年をとった今読んでみると先生が下宿のお嬢さんを思う恋心がとってもいいんです。友人Kにやきもちをやいてみたり、お嬢さんがどう思っているか妄想してみたり・・・。’それから’は主人公が人妻に恋するはなし。ということは覚えていました。主人公があるとき自分は同級生の奥さんを好きだと気付き、自分の家族を説き伏せ夫である同級生に彼女を自分の妻に欲しいというはなしです。二人は特別なデートをするわけでもなく、お互いが惹かれあっていることがわかって結婚しようと決めるのですが、主人公代助が人妻三千代に惹かれている自分に気付くところがとってもいいです。こどものころ学校ですすめられて読んだ夏目漱石の本が実はこんなにすてきな恋愛小説だったなんて今まで気がつきませんでした。今まで知らなくてずいぶん損をしていたような気がしました。