日本テレビ 夜9時～ 「誰も知らない泣ける歌」
決して有名な曲でなくても
一つの歌に秘められた物語を知った時
その歌は涙を誘う「泣ける歌」になる。
今回紹介された歌で、胸がキューっとなって泣くのをガマンできなかった歌。
その歌は「親愛なる母上様」 作詞：加藤貴光さん 作曲：奥野勝利さん
「あなたが私に生命を与えてくださってから、早いものでもう二十年になります。
これまでに、ほんのひとときとして、あなたの優しく温かく大きく、
そして強い愛を感じなかったことはありませんでした。
私はあなたから多くの羽根をいただいてきました。
人を愛すること、自分を戒めること、人に愛されること......。
この二十年で、私の翼には立派な羽根がそろってゆきました。
そして今、私はこの翼で大空へ翔（と）び立とうとしています。
誰（だれ）よりも高く、強く自在に飛べるこの翼で。
私は精一杯やってみるつもりです。
あなたの、そしてみんなの希望と期待を無にしないためにも、
力の続く限り翔び続けます。
こんな私ですが、これからもしっかり見守っていてください。
また逢える日を心待ちにしております。
最後に、あなたを母にしてくださった神様に感謝の意をこめて。
翼のはえた”うし”より」
加藤貴光さんは神戸大学に合格し、親元を離れて１人神戸へ旅立つことになった。
そして旅立ちの日、お母さん（加藤律子さん）のポケットに入っていたものは手紙。
そこには、今まで恥ずかしくて面と向かって言えなかった、
母に対する感謝の思いが込められていた。
しかし運命のあの日、
13年前の1月17日、阪神淡路大震災の時、貴光さんの住むマンションは全壊。
コンクリートの下敷きとなり、短い生涯を終えた。
広島から被災地に駆けつけたお母さんが、貴光さんを見つけて
8時間も名前を呼び続け泣いたという。涙が枯れ果ててもまだ泣き続けたお母さん。
こんな手紙を残してくれた1人息子さんを一瞬にして失ってしまった気持ちは
身体を引き裂かれる以上に苦しく、辛いことだったと思う。
震災以降、お母さんはお正月が来ても「おめでとう」なんて言えなかった。
それ以前に、生きる意味さえ失って
息子さんの所に行くことばかりを考えていたという。
それでも、この「手紙」のおかげで色々な出会いがあったそうだ。
息子さんが、生前にお母さんに送った手紙の存在を知って
その原文に、作曲家の奥野勝利さんがメロディーを付けて1曲の歌にした。
奥野さんが歌ったことで、今度は、偶然にも息子さんと同じ年の奥野さんと
お母さんが出会うことになる。
息子さんは、天国へ行ってもお母さんを愛し応援していてくれたんだね。
この歌は、お母さんの永遠の宝物。
これからの人生も見守ってくれて、大きな支えになると思う。
歌は奥野さんのブログ（にこにこ新聞byゆーとぴあすとりーと）
「うし君の手紙」の下の方にあるプレイヤーで再生きる。
奥野さんとお母さんの出会いは こちら
素晴らしいお母さんとステキな息子さんに私も画面を通じて会えてよかった。
「あなたを母にしてくださった神様に感謝の意をこめて」
こんなセリフを言ってもらえるような母になりたい。(^^)v
