|
テーマ:海外生活(7775)
カテゴリ:生活
お仕事でどうやら遠くまで行かないといけない模様。。。 運転手が言う。 「今日行く所はな、楊山っていう場所にあるぞ☆」 「・・・楊山・・・ え?! 水蜜桃の楊山?!」 「そうだ、早く仕事を終わらせて、桃を買いに行こうっ!」 さすがだ、運転手。 無錫で生まれ育って40年ってところか? いやぁ~、アナタ運転手として最高ですよ、私の行きたい場所は名前を聞けばすぐにわかる、時間配分も完璧で遅刻皆無、さらにその上サボりのアイデアまで出してくれる。 当然ちゃっちゃと仕事を終わらせる。 運転手はニヤリと微笑み、エンジン全開、桃の畑があるところに連れて行ってくれた。 だいぶ収穫された様子。所々に隠れたように、まだ熟れていない桃が潜んでいる。 運転手は非常に満足げにこう語る。 「この畑で桃狩りをして持って帰ることも出来る。またはすでに収穫済みの桃を買って帰ることも出来る。俺としては桃狩りを勧めたいっ」 ・・・いやいや、運転手よ、次のお仕事を考えると我々に許される「幸せmomoタイム」は20分が限界だ。どうした運転手よ、いつもは時間配分が完璧なのに、桃を前にすると全てを忘れてしまうのか?そう、桃には人を惑わす力が確かにある。 「だめだよ、時間がないよ、ここで桃に時間を費やすと、昼ごはんが食べられなくなるよ」 一瞬、桃の力に惑わされる所危うい所だった。。。 すでに収穫され箱詰めにされた桃を買うべく、我々は桃売りの所へ歩み寄った。 美味しそうな桃が盛りだくさんっ! 桃売りは「コッチの桃を買え」「いいや、コッチの桃を買え」と藁藁群がってくる。誰の桃を買っても一緒だろ。。。と思いつつ、普段よりやる気充分な運転手に、ここは全て任せることにした。 運転手は一番歳をとったおばぁちゃんの桃売りに決めたようだ。ここで炸裂するのは。。。さすがだ、運転手よ、ベラベラな無錫語で値段交渉だ。無錫語は怖い。大喧嘩しているように聞こえるから。でも実はこの大喧嘩口調が普通だそうで、未だに聞き取れないことはもちろん、慣れない。。。 さすがだ。。。1箱20元でお買い上げか。。。 「私も買いたい。」と運転手に告げると、 「今日はオレのおごりだ」 と、カッコいいことを言った。 中国の人はメンツ重視派が多い。加えて女性である私に気遣い、いつも使ってくれてありがとう☆っていう気持ちもあるんだろう。ここは甘えておいた方が、彼も気分がよいに違いないと思ったので、「ありがとう☆とても嬉しいです」とカワイイ子ブリッ子してみた。 30歳、まだブリッ子も通用するようで。。。 運転手は。。。 私に3箱も買ってくれた。。。 食べきれないってば。。。 そんなこんなで時間を費やし、私たちに許される昼ごはんは20分弱となった。急いで入った食堂で、初めて運転手と2人一緒に食事をすることとなった。 運転手は言う。 「時間がないけど、たくさん食べるんぞ。そしてたくさんお仕事に回るんだぞ」 たくさん食べろと言われても、中国人男性の大食漢からすれば、私なんか食が細くて今にも死んじまいそうな量しか食べられない。 「そんだけしか食べないのか?ダメだ、それじゃぁ無錫の暑さに勝てないぞ」 と、私のお皿にお料理を取ってくれる。 そしてさらにカッコいいことに。。。 「今日はオレのおごりだ」 と、ご馳走してくれた。 最近、運転手さんと一緒に外回りに出ることが多い。 時間厳守で、約束の時間の15分前には家の外で待っていてくれる。 彼に1日のアポ一覧表を見せれば、どんなに遠くても行きたい場所にどこでも連れて行ってくれる。すべて時間を配分してくれ、サボりの時間から昼食の時間まで、すべて彼の言うとおりに動けば絶対に遅刻などしない。私は到着するまで車の中で寝ていればいいだけだ。 「今日は忙しいけど、大丈夫か?」 「最近ずっと日本に帰ってないけど、寂しくないか?」 と、気遣いもしてくれるし、最近私は運転手さんがお父さん的存在のように頼もしく感じる。 そんな運転手さんと遠くまでドライブし、一緒にサボって桃を買い、一緒に食事が出来て・・・ 私ってなんか幸せだわ。。。と思った。 来週も、頑張るぞっ! 運転手よ、私を安全かつ時間通りに目的地に送り届けよっ! 運転手さんと今日はアッチへ、明日はコッチへ。 真真の中国街道はまだまだ続くのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[生活] カテゴリの最新記事
|