カテゴリ:日本文化論
私の尊敬する人物の一人、息子の前担任Teacher Brid。
1年生の終業式での彼女の話が、忘れられない。 子供達と一緒に円座になって、1年の途中でクラスに来た中国人の男の子ジョンを見ながら彼女は言った。 「ジョン、覚えてる?あなたが最初にクラスに来た日。 誰かが間違ってあなたの席に座っていた。 あなたはそれに気づいて何をしたっけ? そう、その子をpushした。(お尻で押しのけるしぐさ)。 Very Good! John.」 へ?お友達を押しのけてVery Good?どういうことだ??と思っていたら、 さらに続いた。 「初めての教室で、英語も分からないのに、あなたはとても勇気がある。 今は英語が上手になったから、言葉でいえるね。 でも、pushしたことはVery Good。みんなも、自分の場所に 誰かがいたら、きちんと言いましょうね。」 なるほど~!! これは、日本の学校では教わらなかったことだ。 喧嘩をするのではない。きちんと、自分の考えを相手に伝えること。 言葉が分からなくても、体で、表情で、意思表示すること。 それが、相手と本気で向き合うということ。 そして、相手とのよい関係を築く一歩であるということ。 子供同士の些細なケンカを見ていると、いじわるなことを言われても黙ってうつむいてしまい、最後は泣いて終わり、というのがよくある。 泣くのではなく、相手を見て、そういうことをされることがイヤだ、と言うこと。 どれぐらいイヤなのか、怒りで表すのもありだと思う。 日本の家庭のしつけでは、怒ることはダメなこと。他人にはやさしく、ということばかりに主眼を置いている。 でも、いやなことをされたとき、相手の故意の有無に関わらず、自分の意見を言うこと。 これはとても大事なことなのだ。 いきすぎた自己主張ではなく、相手とのよい関係を築くために、心をオープンにして気持ちを伝える。 1年生の終業式にTeacher Bridが子供達に一番伝えたかったことが、これだった。 これは”アサーティブネス”という言葉で日本でも広がってきているけど、今まで私は良くわかっていなかった。 彼女の話しで”アサーティブであること”ということが、やっと実感できた。 こんな小さなころから、欧米の子供達はこのアサーティブの訓練を受けているんだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.07 23:40:48
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