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テーマ:お勧めの本(7360)
カテゴリ:読書ネタ
坂の上の雲(4) 「なぜノギはわざわざ十三日(二十六日)をえらぶのだろう」 ということは、ステッセルもその幕僚の戦術家たちも、たれもがなぞとして考えた。 この疑問はロシア側だけでなかく、東京の大本営陸軍参謀本部でもふしぎにおもった。 「わざわざ敵に準備させ、無用に兵を殺すだけのことではないか。いったい乃木や伊地知はどういつつもりで二十六日をえらぶのか」 ということを総長の元帥山県有朋も、次長の少将長岡外史もおもい、こんどの第三回総攻撃にあたって、この疑問だけのために東京から森邦武中佐を使者として送り、柳樹房の乃木軍司令部を訪ねさせた。これに対し伊地知参謀長が返答したのは、意外な理由であった。 「その理由は三つある。その一つは火薬の準備のためだ。その導火索は一カ月保つ(一カ月たつとカゼをひき、効力がうすれる)。だから前回の攻撃から一カ月になるのだ」 という科学性にとぼしく、しかも戦術的配慮皆無の理由が一つ。 「つぎに、南山を攻撃して突破した日が、二十六日だった。縁起がいい」 さらにいう。 「三つ目は、二十六という数字は偶数で割り切れる・つまり要塞を割ることができる」 乃木も横で、大いにうなずいた。この程度の頭脳が、旅順の近代要塞を攻めているのである。兵も死ぬであろう。 (旅順総攻撃 p.397) そりゃ兵も死ぬわな。 筆者が再三にわたって書き続ける乃木伊地知コンビのていたらくっぷり。 ホント親戚や子孫だったらそこまでいうかっていうくらい手厳しい。 確かに数万人の日本人を殺しているわけだから誹りは免れないだろうけど・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.12.23 03:16:18
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