遠き空の下の近しき人々
こういう経験ができるというのは、つくづく不思議だと思う。姉の嫁いだイタリアの家へ、両親を連れて1週間ちょっと滞在してきた。今でも、自分にイタリア人の親戚がいるというのが不思議な感じだ。義兄は4人兄弟の長男だから、次男、三男、四男の各夫婦に加え、2歳半になる甥、三男夫婦の娘ふたり、四男夫婦の7ヶ月の娘、そしてご両親という構成。(ちなみに次男の嫁さんは、姉の友人の日本人なのだ。とても素敵なお姉さまである)こうした人々が、毎日曜日の昼に集まってくるのだ。とても賑やかで楽しい時間である。美味しい手料理とワインを頂き、かわいい子供たちを眺め、子供(孫)と遊んで幸せそうな両親を見る・・・こんな幸せは無いなぁと、つくづく思う。私はただ両親を連れてきて、その場にいるだけだけどね(笑)。家の近くを散歩していると、あちこちの家で同じように賑やかな声が聞こえてくる。あぁイタリアって・・・と、こんな風に思えるのは、ただの観光旅行では経験できないだろう。今回の旅は、両親を連れてくること、私自身はただのんびりすることが目的だったから、“観光”としては近場の見所を少しだけ見て周ったくらいだった。でも、旅としては十二分に満足できるものだった。昼食後、あるいは買い物帰り、柔らかな陽射しと涼しい風の吹く中で、庭のハンモックで楽しむ午睡は、極上の時間なのであった。