存在価値
無灯火の自転車で、結構なスピードで正面から突っ込んできそうになったあげく、すれちがいざまに「ばか!」と吐き捨てていったあんちゃん。定食屋のとなりの席で、よっぱらってひたすら大きな声でつぶやきつづけていたオヤジ。歩きタバコをしながら、路上に吸殻を捨てていった油髪のオヤジ。立て続けにこうした“人種”に遭遇するのは、なんか意味があるんだろうか?いちいち腹を立てるのもこっちが損する気がするので、良いように考えてみよう。こうした人たちを見ることで、自分の周りが素敵な人たちばかりであることの幸せを感じることができる。こうした人たちを見ることで、やってはいけないことをあらためて認識することができる。反面教師、ってやつだね。この人たちを見かけた後、咲き始めた沈丁花の薫りに触れ、とたんに優しい気持ちに包まれた。言ってしまおう。いくら「人間」と「植物」とは言え、私にとっての存在価値は、比較のしようもない。