マコの回想録

　ＴＶからは、おりしも第九の演奏が流れていた。これだけの種類の煮しめを作るのは、何年ぶりかのことだ。姑の年季の入った巧みな味には適わないかもしれない。しかし、気は心だと自分に言い聞かせ、せっせと作り上げていく。３つのコンロはフル回転状態。

　殆ど仕上がったときには、ＴＶの第九の演奏と合唱は既に終わっていて、マイケル・ジャクソンの音楽に変わっている・・。これで何とか、ＮＨＫ紅白はゆっくり鑑賞出来る。

　伴侶が退院してこの３日間は想像以上に目が回る毎日だった。プロみたいなことは到底できないが、見よう見まねで夫の足にリハビリを施す。そこは、あ～だこ～だとリクエストを受けながら・・。今年の年末の大掃除には目をつぶることに割り切った。何かを切り捨てないととても身が持たない。このような非常事態ではそれも止むを得ない。
　当初は無我夢中でやってきて、疲れさえ感じなかったが、現在は自分自身の身体にも如実に影響が出ている。これも夫の怪我の快復が進み、歩行に難が無くなってくれば、そのうち当方の負担も軽減するだろう。

　例年通りのようなお正月は難しいとしても、それなりに気分を味わえればそれでもいい。
長い人生の中にはこんな年もあるものなのだろう。

　それにしても、年末の２日ほど前より異様に寒くなった。昨日は木枯らしが吹いていた。
そんな荒れ模様の空なのに、夕べはお月様がすごく大きくてまん丸で綺麗だった。真冬の空気がそれだけ澄んでいるせいなのかもしれない。

　どうか今年は良い事がありますように！