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カテゴリ:ペット
新聞記事に載っていた東日本大震災の被災した犬の記事で、せつなく悲しい犬の話なのだが、その犬を親身になってケアする担当者や医師の姿に心を打たれた。
毎日新聞土曜の夕刊の生活欄「生物」というコーナーの記事。 もみの木便り 前回に続き、我が家のもう一頭の預かり犬の話をしよう。 10歳の雄の雑種で、東日本大震災の被災犬である。飼い主の自宅は福島県の警戒区域内にあり、彼を残して避難し、たまにしか戻って餌を与えられなかった。残された彼の心はささくれだってしまったのだろう。ある日ついに世話にやって来た飼い主をかんでしまった。その後も家族をかむようになり、飼育放棄となった。 飼育放棄で行政機関に持ち込まれれば、1週間程度で殺処分となることが多い。人をかんだとなればなおさらだ。ところが当時被災動物は少なくとも1年間は殺処分しない方針で、幸運にも彼は麻布大学(神奈川県)の菊水健史教授らが実施する被災動物保護活動の対象に選ばれた。だが飼育担当者をかみ、大学では飼育できなくなってしまう。その後、日本動物病院福祉協会のハローアニマルネット(http//www.animal.net.jp/)を通じ、しつけインストラクターのもとで1年間のトレーニングを受けた。でも心の傷は思いのほか深く、改善はしたが、一般の人が飼育できるまでには至らなかった。いよいよ安楽死を選択せざるを得ない状況で、麻布大学の飼育担当者が待ったをかけ、問題行動の治療を兼ねて私の病院で預かることにした。 薬物治療と選任スタッフによる心のケアを行うと、彼は少しずつ変わり始めた。体にふれられることを嫌って怒っていたが、逆になでてほしいと甘えるようになった。そんな彼を理解し、飼い主になってくれる人を探している。 もみの木動物病院副院長 村田香織 (2013.5.25 毎日新聞夕刊より) 東日本大震災で沢山の人が被害を受け、現在も心身ともに多大な傷を負っている方々がいらっしゃる中で、もちろん飼われていた沢山のペットも、その例外ではないのだ。上記の犬は、まだ、保護活動の対象に選ばれ、しかも、かむ行為がなおらない中で、飼育担当者の温情により、安楽死も免れ、動物病院でさらに暖かい治療やケアを受けられるという、きっとレアな幸運な犬のケースなのだろう。 大震災の被害の後せっかく、そういう幸運に恵まれたのだから、今後も彼にずっと思いっきり、愛情を注いで飼ってくれる飼い主に恵まれてほしいと祈るばかりである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年05月27日 20時11分49秒
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