「血統書が付いてるんですよ」と・・・
以前の話ですが、その日主人とドライブに出掛けて休憩のために道の駅に寄りました。ベンチに座って、考え事をしている女の人がいて、その人の視線の先には可愛い子犬がいました。生後5ヶ月くらいの小型犬です。顔はポメラニアンに似ているけれど、ミックスかな?飼い主さんらしき人の顔をじっと見つめて、シッポを振っています。「可愛いですね。種類はなんですか?」と思わず声を掛けました。「ポメラニアンです。」との返事の後、飼い主さんは沈んだ声で話し始めました。ペットショップでポメラニアンと言われて買ったのだけど、体はぐんぐん大きくなるのに、毛は短いまま伸びてこない。顔も少し感じが違う。その子の前にもポメラニアンを飼っていたので、5ヶ月にはどの位になるかは分かっているから、これはおかしいと思い、ペットショップにその子を連れて行ったのだそうです。「どう見ても雑種でしょう? お金を返して」と言ったその人に「血統書がちゃんと付いているんですよ。お金は返せません。どうしてもと言うなら他の犬と代えましょう。」ショップの主人はそう言ったそうです。「もう3ヶ月この子を飼っているんですよ。今更他の犬と代えて貰うなんて、出来ないですよねえ。」と言うその人の言葉に、ホッとしましたが、前の子は見た人皆から「良い犬ですね」と誉められるような小柄で血統の良い子だったとか。目の前で飼い主さんを見つめて、シッポを振っているその子はどう見ても“柴とポメラニアンのミックス?”みたいでした。あの子はその後どうしたのでしょうか?幸せにしてなってくれていると思うのですが。もしあの時返されていたら、あの子はどうなったでしょう。ペットブームの陰で一部の無責任なショップやブリーダーに繁殖させられる動物たち。ショップで売れ残った犬や猫たちは?考えるだけで胸が潰れそうです。人間も動物たちも同じ大切な命として、扱って欲しい、そして幸せになって欲しいものです。