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2006年9月 【命】の売買はここへ行き着きました
ワンズリハウス200x40
広島DPから来た犬達を新しい「より良い」家に移す、一人から始まったプロジェクト
崩壊した「ひろしまドッグぱーく」へ「動物保護」の名目で鳴り物入りで介入したAA(旧アークエンジェルズ)という団体が、自ら世話を託した人物の保護下にあった無償の犬達の命に値段をつけ、善意の第三者である個人を相手に「所有権」を主張した裁判。多くの人の善意を踏みにじったAA---。
2007年12月27日、名誉ある被告の完全勝訴の判決
2008年、「AAでは原告適格性なし」の判決を不服とし
   原告は一旦控訴するも、取り下げ、
   団体代表個人を原告として新たな所有権確認等訴訟
   形式上のみ別事件として実質上の二審相当裁判進行
2009年7月15日、所有権確認等裁判の実質的二審結審(判決文こちら
2009年7月末、上記結審より2週間以内の上訴なく、完全終結


応援、ありがとうございました、犬たちは「格子なき牢獄」から解放!
名誉ある被告の心情斟酌の判決でした
裁判経緯概略
→→ AAを原告とした民事事件の第1審の結審
→→ 原告適格性なしの判決を不服として原告は控訴
→→ 控訴は取り下げられ代表個人を原告に新たな裁判
→→ 代表個人を原告とした裁判に決着がつきました
 ●権利能力なき団体の所有権は認められるも、強制執行なし
 ●裁判所裁量にて認定の原告損害額1頭1万円を被告が払う
 ●裁判費用は、原告1/3、被告2/3の負担

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滋賀県高島市今津の住民による
アーク・エンジェルズの進出 反対期成同盟


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2009/09/06
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カテゴリ:BOOKS
昨年夏から、読書欲に拍車がかかり、一日二冊ペースなどという時期もありました。
本の整理をしなければ、今に崩れ落ちてきて潰されそうです。

そうして読んだ本の多くは、私のドコに蓄積されるのか、多くは正確なタイトルが思い出せず、また、著者と作品の整合性が取れなくなり、主人公の名前はおろか、内容さえ忘れてしまい、これが「歳をとる」ということなのかと、忸怩たる思いにとらわれる今日この頃、読了日記などというものを出来るだけマメに書いておこうと、さるところで、ちょっと書いています。
また、本の整理と称して、最近、新しいものを読んでは、ソレに伴うあるいは関連した内容の、古い手持ちのものを再読することが増えています。
「捨てる前に・・・」という気持ちで読み始めて止まらなくなるケースが多すぎるのが問題ですが。

というわけで、他に書いたものですが、「裁判」に関して思うところが多かったこの三年間の気持ちの整理も含めて、こちらにもアップしておきます。


この作品は、無理にジャンル分けすると、警察モノというよりは裁判モノでしょうか?
もともと、愛読する警察モノ・スパイもの・事件モノの殆どが海外小説という私で、日本の作家のものも読まないわけではありませんが、日本の作家のものなら、どちらかというとドキュメントに近い作品が好きです。
タイトルの『事件』も、小説でありながらどちらかというとドキュメンタリータッチで、私にとっては、日本のこの分野における聖典のようになっている古い作品。


私の元にあるのは昭和五十三年の第二十一刷版(初版が昭和五十二年。重刷に告ぐ重刷)。
さらに、その時点で15年前の新聞連載小説に大幅に手を入れて改題したいう作品であり、作品自体が「歴史」を持っています。
そして、このホンの歴史それ自体がとりもなおさず「日本の裁判の歴史」を表わしているともいえる、様々な”部分”を、たくさん抱えている大作です。
 S.36~37年:朝日新聞夕刊に270回の連載をした『若草物語』という題の小説

この題名;『事件』というのは、(もちろん、このホンは、新聞記事になるようなある一つの事件を扱っているのですが、それ以上に、)裁判でいうところの審理する一つ一つを指していう事件番号のついた「裁判事件」を指してもいます。
さらに、作者あとがきから引用しますが、以下のような理由により、つけられた題名とのことです。

---引用ここから

われわれは望むと望まざるに拘わらず、誕生と共に生れた国の法体系に組み込まれ、それを犯せば罰せられる。犯罪は「事件」として、われわれの運命を変える。しかし判決も現代のように、統一がなく裁判所と裁判官によって違うのでは、偶然的な「事件」として被告人に作用するのではないか、というのが加筆中浮かんだ考えで、それをもって題名とした。

---引用ここまで


民事とはいえ、ある一つの「裁判事件」を、みっちりと追った3年間を経て、「判決も・・・、統一がなく裁判所と裁判官によって違う」ということを、「被告」の側としてほぼ「体験」ともいえる経験をした私は今、この言葉に改めて深く共感しています。

この、もともとの作品が新聞に連載されていた頃は、ちょうど、裁判の迅速化を目指しての刑訴法改正以降、「継続審理=集中審理方式」が推奨されていた時代にあたり、その集中審理方式に若干の危惧を抱いていた作者が、敢えて、作中の裁判官にはその方式を取らせなかったために、表現その他に対して最高裁事務総局から、連載中にクレームがついたと言います。

その後、その「集中審理方式」は結局、ケースバイケース(!)ということに落ち着いたといいますから、作者の慧眼に大拍手です。

とはいえ、その後の今、この現代においては、新しく「裁判員制度」が、賛否両論紆余曲折の果てに採用され、そして始まったばかりのこの制度も、いまだ議論は続いている感があります。
日本の裁判は、50年前と同様の迷路を、いまだ、さまよっているのでしょうか。

もともと、似非とはいえ、長いクリスチャン生活の私。
人が人を裁くということに違和感を、個人的悩みとして、それなりには抱えています。

この作品の実際の事件、19歳の”少年犯罪”に関わる、弁護士・検察官・裁判官・証人、果ては裁判官の妻にも及ぶ丁寧な心証の記述は本当に圧巻で、つい、裁判員としての「自分」に、(もちろん妄想ですが)置き換えて読んでしまっていました。

この作品が最初に書かれた時から実に50年近くなるというのに、今読んでもなお、このように「読者にリアルに想像させる」という、内容・筆力には、驚嘆・感動で、つくづく「私の聖典」と呼ぶに値する作品だとの思いを強くしました。

「裁判員制度」に関心のある皆様の、興味が呼び起こされることを願います。


※絶版だと思っていましたが、新潮文庫で、『事件改版』として出版されているようです。
楽天ブックス、なにかのキャンペーン中? 送料無料になっていますね。
きっと、これ、買ってしまって、また本が増えるのだろうなぁと・・・・・・。

   『事件改版』大岡昇平著 新潮文庫   
   本体価格 781円 (税込 820 円) 送料無料   



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最終更新日  2009/09/06 02:43:18 PM
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