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カテゴリ:BOOKS
私、BOOKSとかいうカテゴリーを作っておきながら、なんと3ヶ月以上経って、本当に、はじめてのBOOKSカテゴリーの記事。
実は私は、さる私的読書会に所属している身である。 札幌在住時代のことなので、本当なら「所属していた」と言わなくてはならないところだったが、たいへんありがたい事に、このインターネットとe-メールの一般化に伴って、ネット参加の形を取れるよう、仲間の一人が骨折ってくれた為、「所属している」と言えている。 (センテンス長すぎ!) ということで、その読書会の今月のテーマ本が、 三戸祐子著「定刻発車」 なのだが、まだ全部読みきれていないため、とりあえず「見切り発車」することに。 実は、この本を読む前にこのテーマで、気になっていた本が他にあった。 少し本に興味を持つ方なら大抵の方がご存知だろう『なぜ福知山線脱線事故は起こったのか』(川島令三著)である。 あまりにも早い出版と、本の帯のいわゆる「あおり文」に何となく抵抗があったのと、あまりに身近な事故で他者や評論家の目や語りを拒む気持ちが働いたのと、で、ついに読むことはなく、まだまだ当分読む気にならないだろうと思う。 その本の周りを、楽天・AMAZONなどでウロウロしている時に、今回のテーマ本である「定刻発車」が、5月に文庫になっていることを知り、読みたいなぁと思いながら、そのうちね、になり、忘れ去ろうとしていた。 なので、9月テーマ本の連絡が来てすぐに手に入れた。 でも、なかなか読めずにいたが、先日の発熱で横になることを余儀なくされて、やっと開くことができた。 これが、実に面白い。 2002年にフジタ未来経営賞(書籍の部)と交通図書賞(技術の部)を受賞しているという。 三戸祐子氏は、本来は経済・経営ライターとして、数々の賞を受賞しているが、鉄道誌でレポートを書いたことがきっかけで、この作品に至ったとのこと。 この際、書き手が「女性」であることを敢えて強調するのはやめたいと思う。 なんとなく失礼な気が、する。 全12章のうち、今5章を読み終わって6章にはいったところだが、全体のボリュームとしては1/2よりは多くて、3/5程度だろう。 もっとも、序章が十数ページ、序としては多いほうだ。 この序のボリュームが、この本の内容の精密さをよくあらわしている。 「日本の鉄道は何故かくも正確か?」という問いを掲げ、それを解き明かすにあたって、前段として、読者と書き手の確認事項がいくつかあるのだ。 序で、三上氏は、日本と他国との「正確な鉄道」に対する社会的な認識の違いを挙げて、日本の鉄道の正確さを「生命体の秩序」になぞらえる。 そして列車ダイヤは巨大な「計画」だという。 読者に対し、このことへの認識の確認をとって、はじめて、本文にすすむ。 おーっ、これは、一日の記事では、 やはり無理だったようだ(笑) これはまだ、 「序」の口。 第一章 正確さの起源 ・・・まさに、種の起源を模したタイトルで、江戸時代、否それ以前の日本の特殊性に触れる。 第二章 定時運転の誕生と進化 ・・・ノッテイル。 キーになる人物をあげ、時代と社会の仕組みとその人物がその時に居合わせた歴史の妙を、いくつかの逸話を交えて興味深くルポは語る。 そして、 第三章 鉄道が正確でなければ成り立たない都市 ・・・いよいよ、日本の急激な都市化による「乗客の事情」と「鉄道の事情」の、二人三脚で「正確な鉄道」へと突き進む様を丁寧に拾う。 そして、その中で生まれた日本社会のルールと、日本人の美意識に話をすすめて、日本人の勤勉さ・生真面目さを語る。 たくさんの数字が出てくるが、その数字を読みものの中の単語として感じさせるというのは、大変素晴らしい書き手だと思った。 このあとは、いくつかの逸話を淡々と紹介しながら、吐き気がするほどの緻密さを表現してくれているが、 この記事自体が長くなりすぎたので、つづく・・・ということにしたい。 私も、6章以降の続きも読みたいしね! [生活・趣味]ランキングへポチっと1票!(^^)!別窓です お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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