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※こんな加工して個人ブログに載せてもいいものでしょうか? どなたか著作権法に明るい方、教えて下さい! さて、第三章では「鉄道」と「乗客」と「都市の発達」の見事なまでの三位一体ぶりを解いて見せた本書は、いよいよ佳境に入る。 第四章 驚異の運転技術 ・・・気象予測や各種相場予測などの不確実性と比較して、筆者はダイヤの1年先までの確実性を説き、まるで機械と人間が一体化したかのような運転技術の逸話をいくつか紹介している。この章を読むだけでも、この本、値打ちがある。精緻な上にも精緻な、人間ワザを超えたかのような逸話だが、それでも絞りに絞ったいくつかなのだろう。 第五章 攪乱要因との闘い ・・・前章で「ダイヤの前に結集する多くの優れた技術者」の、正確さに対する執念・決意を紹介した筆者は、この章では一転、その高い技術に裏打ちされた正確さを「かく乱」する要因の数々をレポートしている。 印象的だったのは、鉄道会社の社員がお客様に望みたいことのアンケートで上位を占めた事項。。。読むべし です。 第六章 巨大システムのマジック ・・・どの章でも、この章が一番のような言い方になって恐縮だが、コンピュータソフトの世界に長く身を置く私にとっては、水の中を泳ぐように読めた章。でも、普段、このような考え方に触れていない方は、間違いなく、たいへん興味深く読めることと思う。 昨日も書いたように、数字や数式を、まるで日本語の単語のひとつのように文脈に滑り込ませる筆者の筆力を信頼して読んで欲しい。 ここから、 第七章 列車群の生態 第八章 よいダイヤは遅れない 第九章 「ダイヤの回復力」を設計する 第十章 システムの運転台 と、鉄道システムの現実について、小さな揺れの吸収をも含む運用を、 ドキュメンタリタッチで読ませてくれる。 (↑楽天BOOKへリンク貼っておきます) さて、終盤 第十一章 日本の鉄道はこれからも正確か? ・・・ここまで読みすすめて来たなら、この章ではまるで自分が筆者になったかのように、一緒に様々な類推をしたくなるかもしれない。 だが、ここで入れ込んだ書き方にならない筆者。一流のルポライターは、やはりすごいや! 第十二章 成熟社会の夢 ・・・最終章である。前章ではあくまでもクールに、来るべき成熟社会の中での『鉄道』の位置づけをしてみせたが、この最終章ではかなりロマンティックに「鉄道システム」を語る。 そして、鉄道のみならぬヒトの社会の歩みとして、もう切り離せないコンピュータ・ネットワークとの深いつながりについて、多くのページを割いて、終わっている。 久しぶりの良い読書でした。 私が北海道時代に営んでいたソフト会社の、一番大きな取引先が、JR某社の情報システム会社。 旧国鉄時代の機関区出身の方が多い、技術者集団でした。 取引を始める際に、担当のY氏が、おっしゃった言葉、今でも覚えています。 「我々は鉄道マンですから、定時運転が身に染み付いています。何があっても、納期だけは守ってくれるよう、宜しくお願いします」 深々と頭を下げたY氏のその時の手は、机の上で「指差喚呼」
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