『ホテル・ニューハンプシャー』
川原が繰返し読む本シリーズ第二弾(いつのまにシリーズ化!?)は、ジョン・アーヴィングの『ホテル・ニューハンプシャー』です。(新潮文庫)どんな時に開くかというと・・・ちっぽけな悩みから抜け出せないときこの本から私が個人的に感じるのは、人生への力強い肯定です。理不尽な出来事や不運にさらされることがある不完全な世の中だけれど、それでも善悪や清濁ひっくるめて、幸・不幸だけでは、はかることのできないダイナミックな魅力が、人生には存在する・・・いつ吹き飛ばされてしまうかわからないようなはかない命でも、努力は報われないかもしれなくても、先に待っているのは必ずしもハッピーエンドではないかもしれなくても、それでも、その時々で真剣に向き合う何かを持つことに、大きな意義がある・・・そんな思いにさせてくれる小説です。翻訳の文体に慣れるまで少し読みにくいかもしれないのと、上下巻あるため、気軽にお勧めはしにくい本なのですが(^_^;)まず下巻の最後の3ページを読んで(邪道?)心に響く何かがあったら、ぜひ、最初から読んでみてください(*^_^*)