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長いスランプに陥っております
私程度で生意気かとも思いますが… やがて、清水が入って居ずまいを正し石田を待っていた。 周りの様子をそれとなく見ていたが、誰も何も言ってこない。 この分だと、不思議なことだがどうやら今日の事は誰にもばれていないらしい。 何故なのか、考えても分からない事なので取り敢えず目の前の事に集中することにする。 清水はぴっと一本張り詰めた糸のような緊張感を持って正座をし 精神の集中を高めていた。 程なくして石田が現れ、清水と向き合いいつものように礼をした。 「清水さん、今日は少し受身だけでなく、攻撃的な動きを覚えていただきます。 固く考えなくても、痴漢撃退用の護身術のような物だと考えて頂ければ結構です」 清水はしっかり頷く。 じっと注意深く清水を観察している3人は、 昨日までの清水とは少し違う…何か集中力と積極性のようなものを感じた。 清水の気持ちに何が影響したのか…眼の力強さが昨日までと違う。 石田もそれを感じ取ったのか、指導にも自然と力が入っていくようだった。 いつもより、ぐっしょりと汗をかいた2人は礼をして石田は道場を出て行き、 清水も一度着替えに道場を後にした。 「…今日のキヨは特に熱心だったようじゃの」 ヒゲを撫でながら統源は目を細める。 「はい。」弦冶の返事は短い。よい事のはずなのに、何故か2人とも表情が固い。 手早く着替えた清水が戻ってきた。 「キヨ、次、いいかな?」絃冶が清水に尋ねる。 清水は表情を引き締めると頷く。 呼ばれた永田が入って来た。 「では、清水、昨日と同じだ、後ろを。」 絃冶の指示に「はい…」と小さく答え、両の手をグッと握り締めると、 じっと永田の顔を見つめていた。 清水はすぅっと細く息を吸い込むと目を閉じた。片足を後ろに引く。 両の手をくっと握りなおす。石田との鍛錬が厳しかったせいか、永田との対面に 冷や汗が流れるのか、床にポタ、ポタと汗が落ちている。 「…?」 昨日はすっと回って見せたというのに、今日の清水は一昨日に 戻ってしまったかのように微動だにしない。 絃冶は「キヨ、昨日の感じを思い出して」思わず声を掛ける。 絃冶をちらりと見た統源はごく小さくため息をつくとまた清水を注視する。 清水はくるりと後ろを向いた。口の中で「ちっ」と舌打ちをしながら。 清水ちゃんの舌打ちなんてキャラに合わないよぉ!って書いてる本人が ダメ出ししたりして にほんブログ村 応援ポッチリお願いします お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.02.17 22:43:34
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