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カテゴリ:オレにも言わせろ!
今日は少し真面目な話を書こう。
16日の夜は、徳島市の休日夜間診療所へ出務した。 連休最後の夜だったし、夏かぜが結構流行っていてまあまあの忙しさだった。 それでも小児科の数分の1だっとは思うが。 僕の属する医師会は、徳島市ではない。 自分の住む街は、今は徳島市だが以前は市外だった。旧市外と言うわけだ。 医師会はその頃の伝統を残してか、名東郡医師会と言う名称になっている。 しかし、現在の行政区域としては徳島市になるわけで、まあ小さなねじれ現象が有るわけだが、徳島市の健康診査や学校検診は徳島市の医師会と並行してやらせて貰っている。 休日診療は、以前は郡独自の夜間当番と言うのがあったが、2年ほど前から諸事情で止めてしまい(補助金が打ち切られたのが理由と聞くが・・確かではない)、徳島市の夜間休日診療所へ出務するようになっている。 しかし、我が郡の全員が出務しているかと言うことそうではなく、あくまで手を挙げた僕も含む極数名のみで後の大勢は知らん顔をしてるのである。 これも腹の立つところであるが、まあ今夜の主題ではない。 で、話を休日診(夜間休日診療所と言うのは面倒なのでこう略させて貰う)に戻すが、ここでは夜間は院内処方、祝日や日曜の昼間は院外処方である。 そしてどちらも1日しか処方が出来ない。 今回取り上げるのはこの1日しか処方が出来ないと言う点である。 例えば、風邪で熱が高い患者さんが来たとして、診察して薬を1日分出して、翌日はかかりつけ医へ行ってくださいねと言うわけだ。もちろん、次の日も休みの日は2日処方が出来るし、盆休みや正月はそれなりに数日の処方が出来るが、とにかく必要最低限の日数と言うことになっているらしい。 1日で治る病気はまず無いと言って良いから、患者さんの殆どは夜にわざわざ休日診へやって来て、その上で翌日さらに普段行っているかかりつけ医を受診することになる。 この1日処方の表向きの理由は、「この診療所はあくまで一時的な応急処置をするところだから、1日しのいだら翌日はかかりつけ医でちゃんと診て貰ってね」と言うことらしい。 一見なるほどと思うが・・。 患者さんは2日続けて病院を受診せなあかん。 もちろん医療費だって、診察料、処方量など2回取られることになるのでお金の無駄である。 時間を取られる方が大きいと言う人も居るだろう(時は金なり)。 更に考えてみよう。 例えば高血圧や糖尿病のような慢性疾患があって、そういう人がちょいと血圧が上がったり低血糖になったりして受診したりするとする。 そういう場合は、翌日かかりつけ医を受診する事に意味があるだろう。 僕も同意する。 しかし、慢性疾患の人でもその疾患ではない別の急性疾患(多くの場合は風邪とか下痢とか)で受診した場合、2日続けて医者に行く必要があるだろうか? 例えば急性疾患でかかりつけ医へ行ったときには、3日から5日ぐらいの投薬をしてくれるはずである。例え慢性疾患でかかりつけ医があっても、急性疾患は休日診で診た医者が完結させても何も悪いことは無いはずである。 まして、普段は病院にかかった事も無く、どこに病院があるかも分かってないような、かかりつけ医を持っていない人、(休日診に来るのはこういう人の方が多い)の場合はどうか? 夜に病院に来るのは若い人や、仕事でどうしても昼間に受診できなかった人も多い。 そういう人が、わざわざ電話帳繰って病院調べて翌日仕事を休んで行く必要がどれほどあろうか? ひょっとしたら、翌日も医療機関を受診する事が出来なくてまた2日連続して休日診へやってくる人が居るかも知れない。 かかりつけ医へ行って貰うなどといかにも患者さんの為のような事を言っているが、その実患者さんにはかなり不便をかけているところがあると思う。 何故1日しか処方が出来ないか? 大きな声では言えないが、開業医の中には休日診が何日も処方をすると休みが明けても自分のところに患者が来ない。休日診は開業医の収入を圧迫すると文句を言う人が居るらしい。 この話を聞いて、僕は開いた口が塞がらない。 あのね、自分は夜間や休日に安心してぐっすりとお休みになって居たわけでしょう。 患者さんは、普段の診療所が休みだから休日診へ行った、もしくは休日診へ行ってくれたおかげであなたの家へ電話がかかってきたりドアホンが鳴らされたりする事が避けられたわけでしょう。 その患者さんが休み明け、もしくは翌日にあなたのところへ来なかったとしても、あなたがするべき仕事を休日診がしてくれた訳だから。減収になったとしてもそれはあなたが安らかな夜の睡眠や素敵な休日を手に入れた代価と考えたらええんとちゃうの? あっちで楽をしながらこっちで減収を怒るなんて言うのはちょいと虫が良すぎへんかい? その患者さんの病状、かかりつけ医があるかどうかによっても違うと思うけど、患者さんの為を思うなら休日診を訪れる原因となることの多い急性疾患は、休日診で数日分の処方をすることによって完結させてあげられるように努力するのが医者のつとめと違うのだろうか? 他にも、処方日数が多くなるとそれだけ在庫を置いとかないとあかんから、在庫管理が大変と言う理由もあるのかも知れない。でも、沢山買えばそれだけ納入価も安くなる可能性もあるし、使う薬って限られてくるからそんなに負担にはならないはずだ。 こういう話、医師会の掲示板に書けば良いんだろうけど、書いても恐らく「まあ皆さん色んな立場や意見がありますからね」なんて回答で終わりになるだろうし、あいつは色々と面倒なやっちゃと言われるのが関の山だからな。 別に暴露をする訳ではないけどね。(減収になるからと言う文句を言う人が居ると言うのはあくまで直接聞いたのではなく、伝聞であることをお断りしておくけど・・でもホントでしょ。)一般の患者さんはこういう事情知らないし。 一刻も早く早く改善して欲しいところだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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