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カテゴリ:我が家の秘密のお話
昨日の夜から体調不良で寝込んで居る。
発端はもう10日ぐらいまえだったか・・。 その前に患者さんにからし明太子を頂いた。 それはもう見事なモノで・・。 よくいただく福岡の有名店のものよりもでかさが倍、赤さも倍と言うものだった。 それを毎日朝食に1本出していて、子供はあまり食べないので僕が半本ぐらい食べていた。 全部で8本あるのが終わったあたりから胃のあたりがシクシク痛い感じがしていた。 やっぱり唐辛子のたべすぎか・・と思っていたけど。 そしてこの1週間ほどはよくお腹が張っていた。 白衣のズボンが急にきつくなってボタンを外してしまうことがあり、何でや?と思いつつもあまり気にしていなかった。 便も普通に出ていたし・・。 土曜日辺りからそれがひどくなって、1日何度か胃のあたりが痛んだりお腹が張ったりしていて居たけど、まあ日曜日も「腹が痛いから俺は晩飯要らん」なんて言いながら、行った焼鳥屋さんではバカスカ食べたりしていたので回りもそれほど心配していなかった。 そして月曜も同じように過ぎようとしていたが・・。 月曜の夕方から痛みが酷くなった。お腹の張りもすごくなってズボンのボタンどころかチャックも半分降ろしておかないと苦しいような状態だ。 お腹を叩いてみるとかなり空気の貯まった音がする。 診療が終わってから、メシは要らないからと言ってぶっ倒れて寝ていた。 でもうつぶせでお腹を圧迫したら苦しいし、仰向けだとちょっと腰も痛いのでどんな格好をしていたかと言うと、ベッドの縁に両膝を付いて(正座は出来ないけど)ベッドに上半身をうつぶせに預けてお腹はベッドと床の間に自由に・・と言う体勢だ。 さすがにこの体勢を見てヤバイと思ったのか家人がわらわらと集まってきた。 配偶者に頼んでレントゲンを撮ってみる。 左側の大腸(下行結腸から碑湾曲部あたり)に沢山便がたまっている。それから右側の上行結腸のあたりは小さな半月状のガスが貯まっている。半月状と言うのは要するに下半分が水で上半分がガスと言うことだ。これはニボーと言って腸閉塞の所見なのだ。 まあ腸閉塞で見られるニボーはもっと大きく広範囲に見られるものだし、まだ便もガスも少しずつトイレへ行くたびに出ていたので腸閉塞になってないのは明らか。 なりかけと言おうか、俗にsubileus(ileusと言うのは腸閉塞と言う意味)と言う状態だ。 腹にボディーブローを打たれたような痛みが基本にあって、その上にお腹の上半分あたりチクチクと言う痛みがある。腹痛は間欠的なものが多いが昨日の場合は結構持続的でそれがしんどかった。 恐らく10数年前の虫垂炎の跡が癒着していて、それが原因でなっているのだと思う。 この手術をしてから時々お腹が張ってガスが貯まったり、便秘になるようになったから。 僕の母親も同じように子宮の手術をしたあと、何年か1度にこういう状態になる。 それが何故か毎回夏なんだよな。 腸の通りが悪いところがあってつかえて居るんだから、治療はそこを動かして乗り越えてやるのが基本である。大腸癌や腸捻転のような完全閉塞が有る場合はそれをやると危険だが、イレウスの多くを占める癒着性イレウスの場合はそういう治療をする。 しかし、つかえているところを動かすとかえって痛みが増強したり余計に閉塞がきつくなることもある。こんがらがった結び目をひっぱると余計にこんがらがる事があるでしょう。その理屈だ。 あまり痛みが酷かったので、まず最初に鎮痙剤を打って貰うことにした。 これは腸の蠕動を止める薬で、とりあえず動いている腸を止めてしまおうと言うことだ。 そうすれば痛みは減るはずである。ただし、つかえている場所の手前でもっとつかえるかもしれないが・・。でも、固い結び目をゆるめてやる事でほどける場合もあるわけである。 打って貰って30分ほどしたら嘘のように痛みは無くなった。 さっきまで青白い顔して死にかけていたのが、ランランランって感じだ。 その間に少しお茶を飲んで水分摂取をする。 このままずっと治れば良いが・・・。 と言うのが甘かった。 5時間ほどして夜中の3時頃からまた痛みがぶり返す。 もう一度鎮痙剤を打って貰うが今度は少し痛みの引きが遅い。 それでも1時間ほどして少しずつ改善してウトウトと明け方まで寝ることが出来た。 朝、痛みが無くなっているうちに、今度は腸を動かす薬を点滴した。 前の晩から何も食べてないし水分補給も兼ねて500mlの点滴に、普通の人の倍量の薬を入れて貰った。これも前夜の睡眠不足のせいでウトウトしているうちに終了。 カズはお義父さんに保育所へ送ってもらい、ヒロキの個人面談の間だけ僕が外来をやって残りは配偶者に代わって貰う。 そういう訳で今日は朝から1日中うとうとと寝ていた。 あれから強い痛みは来ないけど何となくボディブローの感じは残っている。 当然朝から何も食べてないし、お茶を飲んだだけ。 あ、それと漢方薬の大建中湯を飲んだ。 これは外科でもよく術後のイレウスに使われるお薬だ。 お腹はグーグー鳴っているけど、時々トイレへ行ってもガスと便は少しは出るけど大きな動きは無い。と言うことはまだ完全には治ってないのだろう。 と、言うわけで療養中なのであります。 少し痩せたかも知れん。 下腹の手術、虫垂炎とか子宮筋腫、そして大腸癌などの手術をした人はこういう癒着が起こりやすい。何故か胃や胆嚢の手術では少ないんだよね。 何が引き金になるかわからない。水分不足や便秘が引き金になるのかな? 本格的なイレウスの治療は腸管の安静と水分補給である。 普通は入院の上、絶食絶飲で点滴を2000-3000mlぐらいする。 感染に考慮して抗生物質の投与もする。 嘔吐が酷いようだと鼻からチューブを入れて減圧してやる。 まあ、そこまで酷くなってないので・・。 こういう時にありがたいのは身内が医療関係者だと言うことだ。 病院に行く必要が無いし、こっちの思うように自由が効くし。 何より仕事を代わって貰える事がありがたい。 普通だったら痛みを堪えて仕事をしてるところだ。 普段は僕の方が代わってあげる事が多いんだけど、今度は本当に世話になった。 ありがとう。 と、言うわけで今後の動向はみだ未定だけど、少し快方かな?と言うところなのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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