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今日はちょいと身内の恥と言おうか身内への怒りを書こう。
身内と言っても家族ではない、同じ医者仲間と言うことである。 知りあいのお母さんが大学の整形外科で膝関節に人工関節を入れる手術を受けた。 彼女はずっと膝が悪く、2年前にも同じ手術を受けたらその膝は痛みが減って調子が良くなったので、今回反対側の膝の手術に踏み切った訳だ。 ところが術後に膝が腫れて熱が出ていた。 術後に腫れは付きものだが、前回の時よりも2倍ぐらいに腫れてしかも38度以上の熱が出ていた。 それなのに、大学はと言うか主治医は、熱は手術とは関係ないと言い内科に紹介されたのだ。 内科としては整形がうちとは違うと言って回して来たものだから、不明熱として膠原病とか悪性腫瘍の可能性を調べる事になったと言う。 この話を聞いたとき、僕は空いた口が塞がらなかった。 不明熱?膠原病?悪性腫瘍?? 何で?それまで何も無かった人が術後から熱が出てるんだろう。しかも手術部が腫れてるわけだ。そしたら術後の感染と考えるのが自然ではないか。 不明熱の原因は悪性腫瘍、膠原病、感染症である事が多いが、不明と言おうか何と言おうかこの場合は分かり切った感染ではないのか? そうこうするうちにも毎日熱が出ており、一度気分が悪くなった時に嘔吐して、その時に一緒に血液が出た。だから、胃カメラをしましょうと言うことになったと言う。 その時も思わず何で!と口に出てしまった。 嘔吐したときに出血することは結構ある。実は僕もよくなる。胃の高い内圧が細い食道にかかるために食道の粘膜が傷ついて起こる出血でマロリーワイス症候群と呼ばれている。 先日、風邪気味の時に配偶者の作った濃い鍋を食べてるうちに気分悪くなり、トイレへ駆け込んでげ~とやった時に結構な出血があった。まあ、初めてでは無かったので安心していたけどね。(いや、初めての時も安心していたけど) 話がそれたが、熱が出て気分悪くて嘔吐したんでしょ。そしてマロリーワイスになったんでしょ。 理屈合うじゃん。まあ、不明熱の精査(だから不明じゃないって!)の為に胃カメラを飲まそうとしたんだろうけど、そんな熱が出て嘔吐するような患者さんに慌てて胃カメラしようとしなくてもと思うのだ。 で、どうなったかと言うとカメラの当日の朝、整形から連絡があって緊急入院となった。 傷の晴れたところを穿刺したものからMRSAが出たと言う。 これって・・立派な院内感染じゃん。 下手したら訴えられるで。 問題は2つある。 何で術後に高い熱が出ているような患者を退院させたのか? もう少し入院させて経過観察、原因の検索をするのが普通の考え方と思うのだが。 恐らく、入院期間が長くなると病院としての評価が落ちるので、出来るだけ早く退院させて外来で精査しろと上の方に言われたのかも知れない。 しかし、主治医として体を張ってでももう少し様子を見たいと言うのが普通ではないか? もう一つ。 何で術後感染と考えずに内科に紹介したりしたのか? 患者は前の時と比べて足の腫れが倍以上と訴えているわけである。 何で患者の言うことを素直に聞かない。 一番考えられる病気を除いてしまって精査しても回り道をするだけである。 まあ、自分も少しは怪しいと思っていたようでだから穿刺をしたんだろうけどね。 病気はまず一番ありそうな病気を考えて、それから順次ありそうにない病気を考えて行くのが普通じゃないかと思う。 知りあいのお母さんが無事にこの局面を乗り切ることをお祈りすると共に、この医者や病院の事を他山の石にしないといけないと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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