見たまま、感じたまま、思ったまま

と、言うわけで６日と７日は１泊での東京出張でした。
これは僕が産業医をしている事務所の公費出張なのだ。
皆様の血税で行かせていただいてる訳なのね。

毎年この忙しい時期に行くのは配偶者様に申し訳ないけれど、まあ仕事だから（笑）。
出張の内容は、講習会への出席なんだけど、これが毎年マンネリのメニューであまり面白くないのだ。一昨年は「竜馬が行く」を持って行って読破したほど（爆）。
もうちょっと違う時期に違う内容の勉強会に・・と思うけどまあ予算も組んでるので仕方ないらしい。
自分としては１泊東京のホテルで泊まって美味しい物食べて買い物して帰って・・・骨休みと言うところか。旅費は実費じゃなくて公務員特有の計算で出てくるので、早割の飛行機を取って、結構良いホテルだけど一休などで割引で取っておくとお釣りが来たりするのだ。（いや、丁度良いと書いておこう・・オンブズマンが来たら困るから）。

生憎寒い天気で雪交じり。
飛行機が飛ばずに帰れなくなったら困るなあと思っていたけれど７日は少し暖かくなって無事に飛行機も飛んだのでほっとした。

今回は、青山のパパスと六本木ヒルズの中にあるロロピアーナと言うお店には行きたいと思っていたのだ。ロロピアーナと言うのはカシミア専門の高級ニットのお店。ヤフオクなどで検索してみたらわかるけど、かなりお高いお値段で売られている。

世界の高級カシミアの３０％はこのブランドが使っていて、キトン、ブリオーニとかにここの生地を卸していると言う事だ（って、この２つのブランド、どっちも知らないけどさ）

みぞれ混じりの六本木ヒルズへ着くと、修学旅行らしき中高生がちらほら。
そんなのがヒルズに来てどうするんじゃ？

問題のロロピアーナのショップはすぐに見つかった。丁度テレビ朝日とパークハイアットの斜め前ぐらいにあるのね。
ドアを開けて入ると・・・誰も客がおらん！
キャメルのカシミア（多分）のブレザーを着た女性店員が一斉にこちらを見る。
アタシ、一応モンクレールの結構派手なダウンを着ていたので、何くそと視線を返す。

メンズのコーナーへ案内していただき、ローゲージのミックス調のニットが欲しいのですがとカシミアには無さそうな商品を指名して相手の矛先を鈍らそうとする。
店員の話によると、冬物はもう殆ど無くなって、今は春物に替わっているそうだ。
残った冬物は３０％オフになってますとのこと。
心の中で「ウォッシャー」と叫ぶ。

ローゲージのは無かったけど、目に付いたミックス調のを何着か見せて貰う。
う・・軽い。
まるで僕が着ているヘインズのＴシャツよりも軽いかも知れない。
試着させていただこうと、着ていたローゲージのジップアップのセーターを脱ぐ。
その下には薄いユニクロの８９００円のカシミアタートルネックを着ていた。
しまったあ・・・・この店員には絶対にこのカシミアの素性がばれているだろうと後悔。
どうせなら、綿のタートルにしておけば土俵が違ったのに・・。
ま、言ってもしょうがないのでそのあたりは無視して試着させて頂いたが、その軽くて暖かいことと言ったら・・う～ん、何とも言えず幸せな感じだ。

でも、ちょっと色目が好みと違うんだよな。
それにサイズが４８で少し小さめ。やっぱり５０の方が良いと思うな。
そんな事を思って周りを見ていたら、もう少し横の方にオフホワイトでケーブル網になったニットが目に付いた。ん？？春物と言っていたし、コットンか？と思ったけど、店員さんに聞いてみたらこれはベビーカシミアと言って小さな子供の羊山羊からほんのわずかしか取れない毛で作ったニットらしい。
死なばもろともと意味不明の決断をしてこれも着せて頂く。
う～～ん、サイズもこれは５０でピッタシ。
これを着てこのままこの店を走り去りたい衝動にかられる。

で、僕の悪い癖だが全然値札を見ずに試着していたのだけど、脱いだついでに値札を見た！
見た見た見た！
う・・・目眩がする。
く・・・車が買えるぞ・・中古だけど。
ま、そのぐらいのお値段である。

よせば良いのについ聞いてしまう。
「これも３０％オフですか？」
店員さんにこやかに「いいえ、原則としてベビーカシミアはお値段はそのままにさせて頂いております」
別に３０％オフになったからと言っても買える値段ではない。
身分不相応、言語道断、一家離散、夫婦断絶など色々な文字がぐるぐると頭を回る。
「はい、もうそのままにしてください」と意味不明の返答を返す。
ついでにさっき試着した奴を見てみるが、ベビーカシミアほどでないにしてもやっぱり自分としては腰が抜けるぐらいの値段である。

よし、ここは一発。
「また他も見てきます。色々と試着しまわして申し訳ありませんでした。ありがとう。」と微笑みだけは負けないように返しておこう。
店員さんはさすがに教育が出来てると言うか、こういう客は見慣れてるのだろうけど「お待ちしております」と微笑み返しをして頂いた。

店を出た途端に急にまた目眩が・・。
負けた・・と言うのが正直な感想である。
恐るべしロロピアーナ。

みぞれに打たれながら、歩く気力が無かったのでタクシーで青山の骨董通りまで乗せて貰いパパスへ・・。
ここは１昨年の秋に家族旅行で東京へ来た時に家族で来た記憶がある。
はあ、なんかほっとするなあ。
パパスだって結構高いブランドなんだけど、パパスの革のジャケットとロロピアーナのニットが大体似たお値段なのね。
自分が今持っているパパスのカシミアセーターの色違いと、春物のコットンのパーカー、そして配偶者様へのお土産に春物のシャツを買う。

そして気力を振り絞って電車で渋谷へ行き、（表参道のラルフへ行きたかったけど、寒いし雨だし傘無いし、負け気分なので歩く気力がもう無かった）、最初に目に付いた東急へ飛び込んで子供達のお土産を買う。上の２人にはパーカー、カズにはレゴのブロック。
全部まとめて宅急便で配達ね。
今日の買い物全部まとめてベビーカシミアの３分の１ぐらいのお値段と言えば大体想像が付くでしょうか？？


まあ、あれに袖を通せただけでも良しとしましょう。

しかしカシミアって山羊だったのね、羊かと思っていたわ。

去年この出張の時はバレンタインの日だったけど、雨が降り雷がなるひどい天気だったけど、今年だってそれに負けない天気だった。
去年と同じくホテルから出る気がせずに、下のフレンチのレストランでフレンチ会席を頂く。
１人用のテーブルとかカウンターがあるのが嬉しい。
ホテルも面倒なので、去年と同じ白金台の都ホテルでした。去年はラディソンだったけど、今年はシェラトンに変わっていたけどね。ここのダブルベッドは幅が２ｍあってマットレスが分厚くて、枕が８個もあって（だれが８個も使う？）寝心地がいいのだ。
そして朝食のレストランのお粥が美味しい。１休で予約したらこれが安いのよ。
でも、芸がないから来年は別のホテルにしましょう。

翌日は真面目に講習会に出席して、カラーマーゾフの兄弟の１巻を半分ほど読んで無事に帰りの飛行機に乗り込んだのだった。
はあ、疲れたぞ。
留守の間、配偶者は風邪を引いて声が出ず、受付には「診察中の副院長は声が出ませんので問診は看護婦がします」と張り紙が貼ってあったそうだ。
すまんね～。
今週末は彼女が東京へ学会で行くので僕がその分仕事だ。
こういうのを持ちつ持たれつと言うのである。

それでも興味のある人は、ロロピアーナのサイトでもごらんになってくだされ。
来年はどこのお店に行こうかな。