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2008.02.18
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カテゴリ:診療報酬への怒り
今日は何故か朝から胃が痛くて、そのくせ食べるのだけはしっかり食べられるのが悔しくて・・。
やっぱり胃の検査ももう10年してないからなあ、経鼻内視鏡が最近の流行だから一度体験して来ようかなんて思ったりしていた。

昨日の怒りの持続で今日は前から書きたかった事を書こうと思う。
やはり診療報酬改正の話である。
今回だけでなく、以前よりずっと厚労省が推進している事に、ジェネリック医薬品の導入を増やそうと言うのがある。目的は年々肥大する医療費を削減するためである。
増大する医療費の多くを薬剤費が占めているからである。
これは一見正論のようだが、ここには嘘がある。いや、嘘があると言うと言い過ぎかも知れないが、少なくともこれだけが真実ではない。

この問題を一気に書くのはとても無理なので、少しずつ区切って書いていこうと思う。

まず最初、薬はどのようにして世の中に出てくるか?である。

ある薬がある病気に効くと言うのが見つかるのは、理論的に導き出されることもあるが、偶然による事も大きい。大手の製薬会社の開発部門では、数年単位、10数年単位のプロジェクトで試行錯誤をしながら新しい薬を開発している。海の物とも山の物ともつかない物質から新しい薬を作っていくのは途方も無い苦労と労力を必要とするのには想像に難くない。もちろん、それにかかる費用だって莫大な物である。

さて、ある程度薬としての形が出来て、動物実験では効果と副作用がある程度確認されて、何かいけそうだぞ?と言うことになると、それを人間に投与して確かめる事になるのだが、その試験は3つの段階を踏むことになる。

僕は勤務医の間、抗ガン剤の治験に関わることが多かったので、そのあたりを参考に書いてみるが他の薬剤でも概ね同じと考えていただいて良いと思う。

まず第1相試験であるが、これは効果を見ると言うよりも副作用を見てその薬物の至適投与量を決める試験である。
恐らく絶対に安全だろうと言う低容量から薬剤を投与していき、安全が確認できれば少しずつ投与量を増やしていく。そしてこれ以上投与したら副作用が強く出て使えないと言うところが至適投与量と言うことになる。

この1相試験の対象になるのは、今までに標準的な治療法が為されて、他に今は有効な治療法の無い進行癌の患者さんである。まあ早い話が人体実験だけど、新薬の開発にはどうしても必要だし他に治療法が無いと言うことだから倫理的にも許されるのだろうと思う。
もちろん、試験が始まっていきなり死人が出ては試験がストップするので、最初に設定された投与量は動物実験などから絶対に安全と言う量になっている。逆に言えばそれはまず効かないだろうと言う量である。

そんな風に数人の患者さんで試してオッケーなら投与量を増やしていく。

さて、至適投与量が決まったところで、次に第2相試験にうつる。
これは至適投与量を投与して効果を見る試験である。
ある程度手応えがあるぞというのが分かっているので、これに参加する患者さんはやはり適切な治療のない患者さんであるが、試験に参加する総数は1相試験よりもずっと多くなる。
抗ガン剤で言えば100人前後というところか?(1相試験は数十人、十数人と言うレベルである)。この試験で、この抗ガン剤はどのくらい効果がありそうかと言うのがはっきりと分かるのである。2相試験で明らかに効果があるとされた薬はほぼ数年後には新薬となる事が予想される。

そして、いよいよ3相試験となる。
この3相では、単独投与以外に、他の抗ガン剤との相性(抗ガン剤の場合、多剤併用療法が基本なので)が試される。これによって、実際に臨床での使い方と言うのが研究されるのである。
ここに登楼される患者さんは2相試験よりも更に多い。(このあたりちょっと記憶が不確かだが、前治療の無い患者さんが主体ではなかったろうか?)

と、まあこんな風な過程を経て新薬は世の中に出てくるのである。

で、この治験にももちろん莫大なお金がかかる。
まず試験の世話人と言うのが選ばれる。これはその道の大家であったり、どっかの有名大学の名誉教授だったりすることが多い。
この世話人のもと、第1相試験では主にその病気を専門に扱っているような病院から厳選して担当医が選ばれる。大抵は何とかがんセンターとか何とか大学の事が多い。
そういう人たちが集まって、まず試験前に打ち合わせの会をやるのである。
場所はもちろん帝国ホテル。

行き帰りの飛行機代、帝国ホテルの宿泊代、そして会合の後の会食ももちろん製薬会社持ち、その上に御講師料までいただける。(5万円ぐらいの事が多い)。
僕の例で行けば、東京までの往復の飛行機代が約5万円、帝国ホテルの宿泊代が4万円(推定?)講師料が5万円(もちろん、確定申告はするよ)、そして飲み食いに1万円というところか?
合計15万円。それが全国で30人居るとしたら450万円である。
その会合は、試験の前だけでなく試験の結果報告の時も行われるから×2で900万円。

で、2相試験の時には参加するドクターの人数も増えている。
80人として、試験の前と後で80×15×2=2400万円。

3相試験になると更に増えるので、120×15×2=3600万円。

試験によっては、途中で経過報告の会なんぞ開催される時もある。
もちろん、世話人の先生には僕らの御講師料とは比べものにならないぐらいのお金が渡ってるだろう。場合によっては、医者が1人で上京せずに担当のMRさんが一緒にお連れすることもあるので彼らの飛行機代や宿泊代(もちろん帝国ホテルではないだろうけど)もかかる。

この薬の効果を海外の学会で発表しましょうなんてことになると、もちろんその旅費なども全部製薬会社持ちだ。こんなのにもお金がかかってくる。

これは抗ガン剤だけど、高血圧や高脂血症の薬や抗生物質の臨床試験ではもっと大きな人数の試験になるのだろうと思う(1人当たりの講師料はもっと安いかも知れないが)。

どうです?薬の試験だけでもこんなにお金がかかるんです。
でも、実際に試験よりやはり開発にかかるお金の方が断然多いのだろうと思う。

こんな風に大量の投資をして薬と言うのは世の中に出てくるのである。


今夜のまとめ。

新薬が出てくるまでには想像もつかないぐらいの年月と苦労、そしてお金がかかっている。

この続きはまた今度。









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Last updated  2008.02.19 00:46:11
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