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カテゴリ:診療報酬への怒り
昨日はみぞれ混じりの雨で寒かったのに、今日は午後から急に気温が上がってポカポカ陽気だった。
人間の体っちゅ~のは正直で、こういう変化に付いていけない人は多く、回転性目眩→嘔吐の患者さんが3人もいた。 1日空いたが、更にジェネリックに関しての日記を書こうと思う。 今回は金銭的な事を書こうと思うが、その前にまずお薬の値段について。 お薬の値段と言うのは、その認可に際して厚労省が決定する。 大抵は同効薬に準じてよく似た薬価が付けられる事が多い。 新しい作用機序だとか、新しい投与経路などがあると付加価値としての点数が加えられる。 メーカーとしては高い薬価が付いて欲しい反面、あまり高くなると使用を見合わせるドクターも出てくるので微妙なところだと思う。 ところで、ある薬の薬価が200円だとする(1錠200円と言うのは結構お高い範囲に属するが、まあそのあたりはおいといて)。 患者さんはその薬に対して200円を支払うわけだが、医者は幾らで仕入れるか? これが何と額面200円なのである。いや、患者さんからは算定できない消費税を卸には支払わないといけないので200×1.05=210円を支払って卸さんから買うのである。 不思議でしょ。スーパーで200円のリンゴが売られているとすると、そのリンゴの仕入れ値は恐らく100円以下でしょう。でも、その理屈で行くと210円のりんごを仕入れている事になる。 そうなるとさすがに売る度に赤字になるので、卸さんは最初から5%割り引いて200×0.95=190円で納入してくれる。そそうすると190円×1.05=199円の支払いと言うことになる。 普通の商売だと、問屋から仕入れたものに上乗せして値段を付けて売るわけになると思うが、薬と言うのはこんな風に流れて行くのである。 医者は薬を出しても右から左へとお金が流れていくだけである。 いや、正確に言うとそうではない。 院内処方なら薬は在庫で大量にそろえておかないといけないし、いくらなんでもそれじゃああんまりだと言うので、問屋さんから少しでも安く買おうとする。 200円の薬が2割引の160円で買えるとすれば、その差額の40円が懐に入るわけで、ごれが俗に言う薬価差益である。昔はこの値引きと言うのが結構あって、薬価差益で病院が潤う時代もあったらしい。 しかし今は厳しく、20%引きなんて薬には滅多にお目にかかれない。(しかし、メーカーのキャンペーンなどではそれぐらいになるので、それぐらいでもメーカーは十分に潤うのだと思う)。 5%しか引いてくれていない薬だって沢山ある。 昔のように薬価差益なんぞ望むべくもないのが実情である。 医者に差益が無いのと同様、卸も厳しい。 それは卸がどんどん合併吸収を繰り返している事からもうかがい知ることが出来る。 本当に薄利多売の世界らしい。 薬価200円の薬を医者は190円で卸から買う(消費税は面倒なのでとりあえず省略)。卸はその190円の薬をメーカーから仕入れる訳だが、ここから後は想像になるけれど、その仕入れ値は180円ぐらいではないか?薄利多売だから。 で、メーカーが薬を作る原価は?? この辺りはもう想像が付かないが、日本の製薬メーカーはどこも好景気なところを見れば、本当にその原価は安いのだろうと思う。 かくしてメーカーの一人勝ちだろうと思う。 ところで、患者さんは200円の薬を買うときに支払うお金は200円の3割だろうか? 単純に考えるとそうだけど、実際はそうではない。 患者さんが受診してお薬を処方される際には、診察料(受診料)+処方料+薬剤費となりその3割を支払うわけだ。 だから、医者の取り分としては診察料、処方料(院外処方の場合は処方箋料)があり、これがあるから薬価差益が殆ど無くても何とかやっていけるのである。 どうです?医療費の特殊性がご理解いただけただろうか? で、ここでやっとジェネリックの登場となるわけだけど、疲れたので続きはまた次回。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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