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カテゴリ:診療報酬への怒り
ウイークデーに戻ってきたのでまた難しい話を。
ジェネリック医薬品の話。 ながながと今回はその6回目となる。 先日気がついたけど、僕が書いてきたようなことってwikipediaを見たら全部書いてあるんだよな。 ちょっとショックだったけど、まあ現場の声と言うことでもう少し続けよう。 前回は薬価差益と言うお話をした。 医療機関はいくらお薬を出しても、薬価で仕入れて(おまけに消費税!)薬価で患者さんに渡すので薬による実入りはない。薬に関しては処方料、処方箋料だけが収入なのである。 と、言いたいけど実際はそれではやっていけないから、如何に薬を安く仕入れるかと言うのがポイントとなる。この仕入れ値と薬価の差が薬価差益で差益の多い薬を大量に処方することにより医者が薬で儲けると言う図が生じてくるのである。 で、薬価100円の先発薬の値引きは精々頑張って20%程度である・・としておこう。 ところがこの後発品(ジェネリック)の薬価は50円だとする(実際に半分ぐらいの事が多い)。 そのジェネリックの値引きは先発品よりも大きいのが普通である。 薬価の安い薬をそんなに値引いて大丈夫かと思うけど、それでもやっていけるぐらい薬の製造費なんて安いのだろう(それを考えると先発品の利益は膨大なものになる)。 100円の後発品の値引きが50%とするとその薬価差益は25円である。 先発品の値引きが20%なら20円でなんだ、5円しか違わないのである。 でも実際に、20%の値引きと言うのは近年あまり無い。 それに差益が同じでも実際に卸さんに支払うお金は、先発品が80円。後発品が25円である。 同じ薬を1000錠仕入れた場合に先発品は80000円、後発品は25000円である。 仕入れた薬は全部はけるとは限らない。不良在庫になる可能性は大いにあるのである。 だから差益が同じでも、薬価の安い薬を仕入れた方が支出は少なくなるのである。 では、話を戻すが僕が医者になった頃、ゾロ(ジェネリック)を使うのは内科医の恥だと教えられた。それは何故か? ゾロのように品質に疑問が付く薬を使うと言う事や、儲けや経営の事ばかり考えている事を良しとしないと言うことだったのだろうと思う。 僕が開業したころ、丁度「慢性疾患外来管理料」と言うのが新設された。 いや、ひょっとしたら名前は違ってるかも知れない。今はもうなくなってるので確かめられないけど、中身はこうである。高血圧や胃潰瘍、糖尿病などの慢性疾患を包括にするのである。 包括とは所謂「まるめ」。つまり、これらの病気の診察に関しては、1ヶ月にこれだけの点数をあげるからそれで医者は勝手にやってねと言う点数だ。 どんな診療をしても点数は同じだから、色々検査をしたり高い薬を使う医者ほど赤字になるのは想像が付くだろう。この点数を算定する医者は、患者さんに検査をせず、薬をあまり出さず、出しても安い薬を使うほど黒字になるわけだ。 もちろん、これは厚労省が医療費の削減を目指して導入した制度である。 確かにこの制度は確かに医療費を削減はするだろうけども、一方では医療の質の低下を招くと言う危険もはらんでいるはずである。 この制度が出来てから、積極的に後発品を導入する医療機関が出来た事は確かである。 だから・・。 今はちょっとおいといて・・。 少し前まで積極的に後発品を導入していた医療機関は、決して患者さんの懐や国の医療費の高騰を気にかけていたのではなく、自分のところの経営を気にかけていたのである。 分かりやすく言えば、経営の苦しいところ、もっと儲けようと思ったところほど積極的に導入していたのである。 で、この時と同じ事が4月から起ころうとしている。 75歳以上の後期高齢者の医療に包括性を導入されることが決まっている。 年寄りにはあまり検査もせず、安い薬をだしなさいと厚労省は言っているのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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