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カテゴリ:オレにも言わせろ!
色々と忙しくて、本命の腹立つ事を書けないのだけど、代わりにプチ腹立つことを。
昨日のニュースで見たこれ。 疲れた体には10分点滴 ちょっと好意的な目で見たら、患者のニーズに合わせた魅力的な商売・・と言えるだろう。 辛辣な目で見ると、患者の無知につけ込んだ極悪商法・・とも言える。 まあ、どっちにしても商売ですな。医療とは言えない。 だから健康保険じゃなくて自費にしてるわけね。 そもそも、この記事を書いてる記者はアホだと思う。 「病院で体力回復のために点滴を受けることは一般的だ。」って、どこが一般的じゃ? 誰がそんな事言うた?その口が言うたんか! おまけに自分で体験して 「点滴後はなんとなく気分がスッキリ。眼が冴えるような気分も感じられる。この翌日はいつもよりスッキリと目が覚め、内側から元気がみなぎってくるような気分だった。」 って、ホンマか? ビタミンは体に必要なものであり、それが不足した時にビタミン欠乏症と言う状態になる。 ビタミンの多くは食物から採るのであり、戦後の食糧難の時代ならともかく、現在普通に普通の食事をしてる人で、何かのビタミンが大きく欠乏する事はありえない。 普通のと言うのは、例えばコンビニでインスタント食品やらスナック菓子ばっかり食べている人はビタミンB1不足による脚気になるとの報告があるが、そう言う場合を除けばと言う意味である。 足りているビタミンを更に沢山摂取した場合に、体の調子が良くなる・・なんて事はどの医学書にも書いていない。 疲労回復とか、元気一発とかそういう宣伝文句のドリンク剤が数多いが、あんなもんが本当に効くのか?確かにカフェインが多いので眠気が取れてしゃきっとするだろうし、糖分が多いので低血糖気味の場合はイライラが解消したりするだろう。 でも、所詮それだけのものである。 あんなもんがこんなに売れているのは日本だけの現象ではないのだろうか? まだその程度ならお笑いだが、それを一歩進めて血管の中へ直接入れちゃえと言うのがこの点滴療法である。 これは個人的見解だけど、疲れたから点滴をして欲しいと言って、点滴が終わると元気になったと言う人は、抑鬱傾向か神経症傾向のある人だと思っている。 だから、こういう人に対しては抗うつ剤や抗不安剤・・と言うかと言えばそうではない。 週に1回点滴を打って元気になるなら、1ヶ月続けてお薬を飲むよりマシだと思う。 そう考えて、(こちらが必要ではないと思う点滴を)患者さんが希望される時には、最近の僕は笑って点滴の指示を出すことにしている。 でも、そういう場合点滴にビタミンを入れると殆どが保険で査定される。 最近は、ビタミンを入れてない単なる単身の点滴でも査定されてしまう。 もちろん、「脱水症」とか「ビタミン欠乏症」とかの病名を点けておけば大丈夫なのかも知れないが、あまりそういう露骨なアホらしい病名をつけるのも・・ねえ。 まあ、そういう事例は多くないので、もうしょうがないか・・含み損みたいなもんかと思っている。 でもそれを、含み損などと諦めずにきちんと料金請求してるこのクリニックは偉い!とも思う。 ただ、こんなくだらない治療をあたかも素晴らしい治療のように宣伝して、患者の点滴信仰を助長させる片棒をかついでいるのは腹が立つ。 まあ、こういうのはニッチ産業みたいなもので、そのうちに飽きられたり、効果が無いのに気づかれたり(信者ばかり来ているうちは良いけど、多くの人が来るようになるとそれだけまともな評価をする人も増えると思うので)、感染事故が起こったりして消えていくと思うよ。 疲れたら、気心の知れた家族や友人達と語らいあいながら、美味しいご飯やお酒を頂いてゆっくり休むと言うのが本来の姿でしょう。 そもそも、疲れた体に点滴打って仕事をしなきゃいけない世の中と言うのが異常では? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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