見たまま、感じたまま、思ったまま

小学校１年のカズは大体午後３時前後に家に帰ってくる。
入学当初は、通っていた保育所の学童へ行かそうかと言う話も出たけれど、家に親が居るし彼は小学校が楽しいと言っていて、近所に友達も出来たので、じゃあ家に帰っておいでと言うことになった。

で、彼の所には友達が入れ替わり立ち替わりやって来る。僕や配偶者も診療の間にリビングに上がってきて彼らの遊んでいる様子を見ているのだが、どうも溜息が出てしまうことが多い。

子ども達は滅多に外へ出て行かずに、殆どリビングで遊んでいる。
何をしてるかと言うと、ゲームをしているのである。
我が家にはwiiがあるから人の事は言えないが、対戦ゲームをしてるならまだしも、一人でゲームをしてるのを他の子が見ていて、終わったら交代みたいなのが多い。
おまけに、遊びに来る子どもがDSを持ってくるのである。
この間なんぞ、４人遊びに来たうちの３人がDSを持ってきて、DSを持ってないカズはつまらなさそうに横で本を読んだりしてるのである。

お前らなあ、いい年をした男の子が部屋でゲームばっかりしていてどうする？
外へ行って遊んでこんかい！と脅しても、外で遊んだら駄目と言われている子供も居るらしい。
カズは虫かごと網を持って外へ行きたいみたいなんだが、どうもそういうのは少数派みたいだ。
まあ近くにはあまり遊ぶ場所が無いのも事実で、先日家の裏の空き地でカズ達が遊んでいた。
そこの空き地は、家の近所の某自動車メーカーの販売所が従業員の駐車場として借りている場所で、そこでバドミントンをして遊んでいた子ども達は、勢い余って車のボンネットや屋根の上に昇り、そこの従業員のおっちゃんに見つかって、親たちのところに、車を修理しろとか、全部塗装をやり直せとか（普通、営業マンがそんな事言うか？？）一騒動あったのである。まあ、それは親と子ども達がそれぞれ謝罪文を書いて持ってこいと言うことで落着したのであるが（そこまでするか？普通）、そんな事があってから、外で遊ぶなと言われた子供も居るらしい。

我が家の直ぐ近くと言う訳ではないが、公園があり、地元の鎮守さんの神社があったりしてそこまで行けばまあ遊べるのだが、子どもだけで道を歩いては危ないと言う親御さんも居るらしくて足並みが揃わない。

大体、学校から帰って直ぐにカズと遊べる子達は、保育園ではなくて幼稚園出身の子ばかりで（保育園の子は親が働いているので当然学童へ行く）、幼稚園には幼稚園流のお付き合いの仕方があるみたいで、友達の家に行くときには親がおやつ持参で送ってきて、また夕方に迎えに来ると言うパターンのようだ。うちなんかそんなことは出来ないし、やるつもりもないので、どこへなりと気をつけて遊びに行ってこいと言うパターンだが、そういう事をすると相手の親御さんの方はあれっと思うらしくて、そのあたりも少しズレがある。

大体、僕らの小さい頃は夕方暗くなるまで学校で遊んでいた。
今は学校で残ったらいけないようで、学校のグラウンドを使っているのは少年野球やサッカーの子ども達ばかりで、一般の普通の子ども達は放課後に学校で遊べ無いのが実情のようだ。

どうなんだかなあ。
子どもにはもっと外でバンバン遊んで欲しい。
そりゃあ、車の事故も怖いし、不審者の問題もあるけれど、だからと言って子供が家でゲームばっかりしてるのは如何なものだろうかなあ。

ちなみに僕は５さいの時に路に飛び出して車に轢かれて左腕の骨折をした。
今も左の肩の下には１５ｃｍ程の手術の跡が残っている。
痛かったし、親も肝を潰したと思うけど、僕はあれ以来車は怖い物だと認識するようになった。
怪我の功名という奴だ。
まあ、もちろん間違って死んでいたら洒落にもならないけれど。
でも、子どもと言うのはある程度のリスクと関わり合いながら自分の世界を広げて行くのだと思う。

車の怖さを教えて、不審者の怖さも教えて、その上で子どもをどんどん外へ遊びに出してやりたい。
夏休みなんか、親の寝ているうちから蝉とりの網を持って近所の山へ行き、昼前まで帰ってこなかったもんだ。それが普通だったんだけどな。

もうじき夏休みに入る。
カズの友達にも、また蝉の羽化を見せてやろう。
ザリガニ釣りにも連れて行ってやろうと思っている。

学校も、もっともっと子どもに開放してくれたらいいのになあ。
その方がいっそ安全だし、不審者対策も取りやすいと思うんだけどなあ。