見たまま、感じたまま、思ったまま

我が家のリビングにはソファーがある。

以前はイタリア製のでっかい本革張りのソファーが置いてあったが、子ども達も小さい頃だったので、彼らの涎、シッコ、ウンチ、ゲロなどで表面は汚れ、ジャンプしたりダイビングしたりして縫い目の部分が裂けたりして修理不能になって数年前に国産のやや小ぶりのソファー（一応革）に買い換えた。

子ども達は大きくなったので、さすがに涎、シッコ、ウンチ、ゲロは無くなったが、ヒロキが汗でびしょびしょの体で寝っ転がったり、体重６０ｋｇのミドリが一回転しながらジャンプしてお尻から飛び乗ったり、体重３０ｋｇのカズがダイビングジャンプをしたり万歳ジャンプをしたりして、ついに縫い目が裂けて白い綿が見えだした。

そこへ、最近成長著しくソファーに飛び乗ることを覚えたトミが飛び乗って、破れた割れ目に顔を突っ込み中綿を引っ張り出そうとしていて、それを見た配偶者が激怒。
トミを思いっきり蹴り上げた。トミはギャイン！と言いながら２ｍ程吹っ飛んだ。
さすがに、内臓破裂でもしてないかと配偶者は心配になって夜中に何度かトミを見に行ったが、トミは全然平気でいびきをかいて眠り、翌日からは何も無かったように飯を喰い・・反対に配偶者のトミを蹴った足の親指が紫色に腫れて内出血。

絶対にこれはヒビが入ってると主張する配偶者。
んな事言っても、それは自業自得、因果応報、諸行無常、盛者必衰、呉越同舟・・なんて笑いものになっていたけど、彼女の足の腫れも数日後には回復し・・。
そんな事があったのが２週間前だった。

さて、今夜。
僕がシャコダンの練習から帰ってきたら、みんなが喧々諤々で家族会議をしている。
聞いてみると、またもやトミがソファーの上に飛び乗って、今度はモロに大量のシッコをしたらしい。それを見た配偶者が激怒して、今度はトミの首根っこを捕まえて尻と言わず顔と言わずバシバシと滅多打ちにしていたのをミドリが割って入りトミを抱きかかえ・・。

こんな奴は山に捨てるか、川に流すかしてしまえ、それが駄目なら貰った人に明日返してくる。
そう主張する配偶者。今度は彼女の手首が蒼く内出血している。
どんだけぶっ叩いたんじゃ？
ミドリはトミを抱きかかえ、ヒロキはずっと屋上に放り出しておけば良いと言い、カズはみんなの隙間を縫って冷蔵庫のチョコレートをかすめ取り、まあそんな具合になっていたのであった。

別にさあ、僕が貰ってきた犬じゃないので、別にどうしようと良いけどさあ。
これだけ飼ったんだから、今更突き放すのはやっぱりいかんのとちゃうかと思う。
これが親や子どもとか夫とか、そんなんだったらどうしようも無い奴でもしょうがないと諦めるけど、犬畜生ではないか、私の老後の今後１０年以上もこいつの抜け毛とシッコの後始末に終われるのじゃ嫌じゃ～～とわめく配偶者。

確かに、パグの抜け毛ってひどいのよ。
毛が短いからとたかをくっていたら、これがすっごく抜ける。
色が黒いからよけいに目立つのね。
リビングでうっかり寝っ転がれなくなって、床暖の上で寝っ転がるのを小確幸とする配偶者にはたまらないのだと思う。一日に何度も掃除機をかけて、掃除機のゴミを出すとピンポン球ぐらいの毛玉が出てくるからねえ。

もちろん僕や子ども達も掃除機をかけたり、餌をやったりウンチやシッコの始末もしてるけどねえ。どうしても清潔の閾値が一番高い人が世話をする回数が多くなるからね。

さっき様子を見に行ったら、配偶者は布団にくるまってふて寝して、トミはいつものようにケージの中で仰向けに寝ていびきをかいていた。
明日はどうなってるんだろう？

トミちゃん、風前のトミしび・・。