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カテゴリ:我が家の出来事
日差しは暖かく、そして風はほんのりと冷たく空気はさわやか。
やっと5月らしい(って、5月は今日が初日だけど)天気になってきた。 さて、GW前に大崩れする患者さんもほとんどおらず、我が家は高知と大阪へ別れてGWに突入だ。 だから日記の更新は5日以降になるね。 まあ、最近の更新は週1ぐらいになってしまっているけれど。 大崩れは無かったと書いたが、実はショックな出来事があった。 うちの近所にとっても美味しい蕎麦屋さんがある。 出来たのは3年ぐらい前だと思う。 マンションの1階を借りて営業をしているが、最近では土曜の夜などはあらかじめ電話しないと入れないぐらいの繁盛ぶりだ。 江戸前で修行したご主人が、毎日いろんな地方の粉をブレンドして蕎麦を打つ。三織音蕎麦とか、胡麻汁蕎麦とか、オリジナルの蕎麦もたくさんあり、ミニ丼やだし巻き卵、かまぼこ(神奈川県から取り寄せているらしい)など、蕎麦以外のメニューも美味しかった。 江戸前なので、ちょっとお汁が濃いのが僕ら四国の人間には戸惑うが、それとて辛いわけでなくいつもそば湯で薄めながら最後の一滴までお汁も飲んでいた。 唯一の懸念と言えば、まだ子供さんが小さくて、ご主人が蕎麦を作り奥さんが給仕をしている側で、オムツをつけているような2人の姉妹がガヤガヤとしているのが、気になる人もいただろう(我が家は普段からアホが沢山いるので気にならなかったけど)。 それも、先日僕の両親を連れて行ったときには、子供さんがいなくて、「やっと子どもだけで上で居られるようになりました」と奥さんが言っていたのを覚えている。 我が家はこのお蕎麦屋さんをひいきにしていたけど、ここの子ども達が病気になると(よく病気になった)、いつも当院へ連れてきてくれていた(こういうのをご贔屓とは言わないが・・)。 今日は配偶者が外来をしている時に、奥さんがいつものように子供さんを連れて来た。 たいしたことはなさそうだけど、鼻水や咳をしてるのでGW前だし・・と言う事だったのだろう。 診察が終わったときに、奥さんがカバンから何か出した。 それは、お店で日本酒を注文した時に出てくる蕎麦味噌で(とても美味しい)、この人からお土産を貰うのは初めてだったが、まあ患者さんが何かくれるのはよくあることなので、配偶者もそれほど気にとめずにお礼を言ったと言う。 しかし、奥さんの目が泳いでいて、蕉点が何か定まっていないのに気が付いた配偶者が「何かあったの?」と尋ねると、驚くべき事が・・・。 ほんの5日ほど前、仕事が終わってくつろいでいる時に、突然ご主人が倒れてしまい。そのまま意識不明。 脳幹部の出血で、今は人工呼吸器がついているけれど、恐らく脳死状態でもうダメだろうと言われているとの事。 蕎麦を打てるのはご主人だけで、もう店はやっていけないたたむしかないと言う事で、まだご主人が生きているにもかかわらず、家賃の事もあり店の整理を始めたとのこと。うちはご贔屓にしてくれたので、何か・・と思ってこの蕎麦味噌を持って来たとのことだった。 何がなにやら分からないうちに事態がどんどん進行して、泣く暇も無く・・・・でもここへ来て少し泣けたので楽になった・・そう言って奥さんは帰っていった。 子供さん達は小さくて、まだお父さんがそういう状態になっていると言う事が理解ができてないらしい。 配偶者も診察中にもかかわらず泣いてしまったらしい。 年の離れた夫婦だったけど、それでもご主人は僕とどっこいどっこいの年。 酒もタバコもやる人だったけど、でもこれと言って大きな病気も持っていなかった。 人間の一寸先って、本当に分からないものだと実感。 結局、今を後悔しないように淡々と生きていくしかないのだ。 短い間だったけど、本当に美味しいお蕎麦をありがとうございました。 ご主人さん、厳しい状況だけど何としても奇跡が起こる事をお祈りします。 神様でも仏様でも、魔女でもローマ法王でもダライラマでも何でもいいから、奇跡を起こしてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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