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カテゴリ:パグの居る風景
毎日毎日、惰眠をむさぼりながら、腹一杯ご飯を食べて、思いっきり黒い毛をリビングの床にまき散らし、獣臭を家に漂わせているトミちゃん。
こんなバカな犬はないと配偶者は言い、おおむね僕もそれに同意しているが、このアホもなかなか考えてるのだなと思うときがある。それは人間達に対する態度の使い分けである。 犬は飼い主達の家族の間に順位を付けると言うが、まさにそれで、うちの中で一番トミの上位に位置されているのがヒロキだと思う。 彼は、トミとよく遊んでやっている。いや、正確に言うと彼の欲求不満の解消の為に、トミを屋上に連れ出して追いかけたりしたり、一緒に吠えたりしてるだけだと思うのだが、トミにしたらしっかりと遊んでくれるらしい。 ヒロキが学校から帰ってきて自宅の2階の玄関を開けると、死んでるのかと思っていたトミの耳がピクっと動いて、廊下の中程にあるフェンスのところまで走ってヒロキをお迎えに行く。 おまけに、ヒロキは自分のご飯の残りをトミにやったりするので(要するに自分の嫌いなものをトミに投げ与えているだけなのだが)、トミにとっては、ヒロキは遊んでくれて美味しいものをくれる人という位置づけになるのだろう。 僕はどうか? 寝ているトミの横を僕が歩いても、彼女はぴくりとも反応しない。 起きている時に、「おいで」と呼んでも、ちらっと一瞥をくれるだけで、僕が手に食べ物を持ってなければそのまま無視である。 しかし、ひとたび僕が冷冷蔵庫の前に立つと、トミはどこにいても一気に走ってきて、過換気状態で口を開けて何かを貰えるのを待っている。 更にご飯の時には、僕のすぐ横に陣取って、僕の太ももに両前足を乗せて、何かくれ~~と言う哀願の目で僕を見つめる。そしてなかなか貰えないと、爪で僕の太ももをガリガリと引っ掻くのだ。 要するにトミにとって僕は、何か美味しいものをくれる人、歩く食料庫みたいなものに考えて居るのだと思う。 一旦両手を翻して、「何もないよ~~」と何もやらない態度を示すと、彼女はあっさり僕を見限って配偶者やヒロキの所へ行っておねだりするか、カズの足下へ行って食べこぼしが落ちてくるのを待っている。 ミドリはどうか? 彼女がソファーにどっかと寝っ転がると、惰眠の最中だったトミはいち早くさ~っと走ってきて、彼女の背中やお腹の上に飛び乗る。そしてまた惰眠の続きを始めるのである。この一人と一匹が仲良く惰眠をむさぼって居る姿は頻繁に我が家のリビングで目撃されている。 つまりトミにとって、ミドリは歩くマットレスみたいな存在だ。 そしてカズ。 我が家で唯一、トミが自分より目下と見下しているのがカズである。 カズの言うことは聞かないし、いかんせんカズをおっかけ回したりする。 ヒロキや僕がカズとじゃれあってカズがリビングの床で転がっていたりすると、カズの顔を嚼みに来たりさえするのである。カズのほうもトミの敵意を感じて、寝ているトミの横を通るときに、行きがけの駄賃のようにトミのお腹を踏んで行ったりするので、この一人と一匹の関係は、ますます悪化しているように思える。 最後に配偶者。 トミに肉体的制裁を加える唯一の人間である。 今まで何度もトミを叩いたり蹴飛ばしたり、一度はトミが2mぐらい空中を飛んで、配偶者の足の小指が内出血・・そんな程度まで入魂の事もあった。 あ、意味もなく虐待しているのではなく、トミがリビングの壁に穴を開けたり、ソファーの綿を食いちぎったりしてるところを現行犯で見つかった時に限るのであるが。 しかし、うんちを始末してくれたり、水を換えてくれたり、餌を入れてくれたり、結局関わる時間が一番長いのは、結局配偶者なのである。そういう意味で、怖い存在でもあり、頼ってる存在でもあるのだと思う。 こんな風に見事に人間の使い分けをしながら、毎日惰眠をむさぼっている。 トミが起きて走ってるをを見るのは、ヒロキが帰ってきた夜から寝るまでの数時間だけである。 ちらし寿司喰ったり、筑前煮喰ったり、こんなので良いのかと思うのだが、今更食生活は変えられない。 まあ、太く短い人生を楽しく送って欲しい。 次に飼う犬はもう決めてるからさ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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