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カテゴリ:我が家の秘密のお話
GWに大阪へ行った際、昔大阪で勤務していた頃に同僚だったドクターと会った。
彼とは学年は少し違うけど、年齢は同じ。 当時は二人とも独身だった。 微妙に音楽の好みも、生き方も違うけど、音楽の話をしたり、アフター5はテニスをしたり飲みに行ったり、一緒によく遊んだ。 お酒を飲まないくせに飲み会に来るし、辛い物が苦手なくせにカレー屋へついてきたり。 30歳前後の頃だったが、あの頃が僕の青春?だったような気もする。 その後僕は結婚して子どもが出来た。開業もした。 彼は相変らず独身で、古いアナログレコードや海賊版に埋もれて暮らしていた。 肺がんの専門医の癖にタバコをプカプカ吸っている奴だった。 昨年も会おうか?と連絡したら、母親の介護で忙しいと言う事だった。 その彼が、肺がんの手術をしたことを偶然彼と同じ病院で勤務しているドクターから聞いた。 手術後、化学療法をして今は仕事を休んで療養中、連休明けから復帰すると言うので、丁度暇だろうと思ってもう一度誘ってみたら、今年は会おうかと言う事になった。 久々に会う彼は、肥満と薬のせいでむくんだような顔だった、 病期は3A期だ。所謂進行がんの一番軽い程度である。 治る人もいれば、結構進行が早い人も居るステージだ。 副作用のせいで、食べ物の味覚が無くなって、食欲が落ちて少し痩せたと言う。 それでも僕と同じぐらいの体重だ。 身長は10cmぐら低いのに。 昨年秋に見つけた美味しい焼き肉屋へ誘う。 生レバーやユッケを食べられる店だ。 さすがに生レバーは出せなくなっていたが・・。 病気の時に誰に看病してもらったん?と聞いたら、少し前に彼女と別れたところだったので、殆ど1人でしたと言う。 自由を束縛されるのが嫌で、この年まで結婚しないで来てしまったという。 束縛されるのも悪く無いよと言ってみたが、今の彼の連例と状況では詮無い事だったかも知れない。 美味しい物にはやっぱり味があるなあと言いながら、焼き肉を結構食べてくれた。 焼き肉の垂れと、生卵をかけた丼も食べた。 まだタバコを吸っていたのには驚いたけど、まあそれも彼の生き方なのだろう。 別れるとき、彼をハグして「来年までちゃんと生きているんだぞ」と励ました。 ちゃんと生きていろよ、来年も会おうぜ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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