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カテゴリ:我が家の秘密のお話
ごぶさたである(こればっか〜)。
夏休みに入って、カズは駅前の進学塾の夏期講座へ行くようになった。 これは上の二人の轍は踏ませないと言う配偶者の祈願であり、駅前を選んだのは塾の本校であると言う事もあるが、交通の便がよいと言う事も大きな理由だ。 今日は3日目。 初日は配偶者が送り迎えをして、2日目の昨日は配偶者が送り、僕が駅まで迎えに行った。 初日はヒロキの面接があったし、昨日は丁度駅前のデパートに用事があって、そのついでがあったからだ。 で、昨日の帰りにカズと一緒に駅へ寄り、切符の買い方、どの列車に乗るのかを教えて時刻表もプリントアウトしてやった。 今日も、ヒロキの補習があるために朝はカズとヒロキを配偶者が送っていった。 このあたりどうよ?普段汽車通学のヒロキがカズを連れて汽車で行けばよいと思うのだが、すっかり朝寝坊の彼にそれを望むのは無理なのであった。 普段の土曜日は、カズと二人でボウリングを楽しむことになっているので、駅から1つめの駅で降りて待ちあわせをしていた。その駅の直ぐ近くに行きつけのボウリング場があるからだ。 「いいか、カズ。少し時間が遅れるかも知れないが、必ず行くので、何があっても駅でちゃんと待っていろよ」 そんな風に言い聞かせていた。 仕事が少し詰んでいて、列車の到着より8分程度遅れて駅についた。 カズはいない。 ん?と思って暫く待ったが居ない。 ひょっとして、ボウリング場の方が涼しいのでそっちへ行ったか?と思ったけど、居ない。 塾が終わって列車の発車まで17分だったので乗り遅れたか?ともう一つ次の列車を待ったけど(田舎だから30分ぐらいあるのよね)来ない。 う〜ん。 困ったら塾へ戻れとも言ってあったので、塾へ電話をかけてみるが居ないと言う。 もう一度駅に戻ったが居ない。 カズが乗るはずだった駅に行き、事情を話して汽車を乗り間違えている可能性、乗り越して降りれなかった可能性を考えて、ターミナルの駅や走行中の列車でアナウンスをして貰うが音沙汰なし。 別の方向の列車のひとつ先の駅も見たが居ない。 待ちあわせの駅にも、もう一度行ったが居ない。 このあたりで2時間半ぐらい経過していた。 ひょっとして家に帰って寝てるのでは?と思ったけど、居ない。 配偶者も心配して、もう警察に相談した方が良いと言う。 念のために従業員が2人セットで、国道沿いと各駅を回ってくれていると言う。 家から近い警察署へ入っていき事情を話すと、警察の人たちがわさわさと出て来てくれた。 他に事件がなかったのか、いや子ども絡みだったからだろうと思うが、非常に丁寧に熱心に事情を聞いてくれて、 各駅、県下の警察に手配をしてくれると言う。 夕方になるまでに発見されなかったら、全国指名手配、いや全国へ手配しての家出人(行方不明の人は全てそう言われるらしい)捜査になると言う、 カズのみなりや特徴を伝えて、よろしくお願いしますと警察を出た。 すぐに警察から電話がかかってくる。 もし、誘拐などの事件性があると必要になるので、自宅の電話に録音機を仕掛けさせて欲しいと。 誘拐? どうせ誘拐するなら、カズみたいに図体の大きい子どもじゃなくて、もっと軽い扱いやすい子にするんじゃないかと思うけど、こちらとて断る理由がないので、よろしくお願いしますと言う。 家に帰ろうとした頃に配偶者より電話。 カズ発見される。 うちの職員達が、最初の待ちあわせの駅で電話をかけようとしていたカズを発見したとのこと。 カズには携帯は持たせて無いが、少しのお金と僕の携帯番号を書いた紙を持たせていた。 聞けば・・カズは駅のホームの中で待っていたという。 僕の言う事を信じて忠犬ハチ公のようにずっと待っていたけど、2時間過ぎてさすがにおかしいと思って電話をかけようとしていたらしい。 この駅は高架になっていて、ホームは2階にあるので外からは見えないし、まさか改札を出てないとは思わないじゃん。 いやいや、それが大人と子どもの常識の違いか・・。 カズ|勇造さんをお迎えに行くときだって、いつも勇造さんは改札から出て来て、僕らは外で待ってるだろう? そう言うと納得したようだが。 しれっと「この責任の80%は父ちゃんのせいやな」と言う。 ほらみろ、こんなヤツ誰も誘拐せえへんわ。 おかげで昼食も食べ損ねたし、ボウリングにも行けなかったよ。 家に帰ってきて、隣のファミレスで、僕はうなぎ牛丼特盛り、カズはネギトロ丼特盛り、そしてコンビニでソフトクリームを食べて人心地。 これが平和というものだ。 指名手配にならずに良かったなあ、カズ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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