松阪牛の悲劇
2つめの大事件日記である。土曜日に続いて、日曜日も惨劇は起こったのだ。金曜日に知り合いのドクターからお肉を頂いた。松阪牛のサーロインステーキ用、特大を3枚とフィレを2枚の計5枚。日曜の午後に屋上で炭をおこして網焼きにしようと思っていたけど、土曜の飲み会の疲れでしんどかったので、日和ってフライパンでステーキにすることにする。日曜の午後は家族でお出かけをして、帰りにデパ地下で付け合わせのポテトサラダを買う。後は肉を焼けば良いだけだ。昔、独身の頃も1人で300gぐらいのステーキ肉を買って焼いたことがあるけど、分厚いのでなかなか火が中まで通らない。ビール瓶で肉を叩いて伸ばしたりしていた。最近は滅多にステーキは食べないし、食べると胸焼けするしねえ。昔は、食べに行っても、フィレとロースト両方食べたりしていたんだけど。ネットで美味しい焼き方を調べたりする気力がなくて、適当に焼いてみた。子供達には切って焼いてやろうと思ったけど、配偶者が子供にもあのでっかい肉の塊を切る喜びを味あわせてやりたいと言うので、そのままじゅーじゅーとフライパンで焼いた。けど、やっぱりフッ素加工のフライパンでは荷が重いと見えて、中は僕でも敬遠するようなレア。結局短冊状に切って、もう一度焼き直しになった。でもやっぱり子供にもその肉の霜降り油は荷が重かったようだ。フライパンじゃ油が抜けないしね。ヒロキも、ミドリもカズも途中でリタイア。僕は何とか1枚平らげて、子供達の残したのを細切れにしてチャーハンにして出してやる。お肉をくれた先生、ごめんなさい!豪華な松坂サーロインを細切れチャーハンにするなんて罰があたるぞ・・。いや、罰はあたったのだ。チャーハンは何とか食べた子供達だったが、それも結構脂っこくて残りは僕が食べた。結構な胸焼けがやって来て、それを堪えながらスポーツニュースを見ていると、ヒロキの驚く声。「ミドリが吐いてる」彼女は、この間胃腸炎でガッコを休んだばかり。以前から、吐くのなら絶対にトイレで吐けと教えてある。まさかと思って見に行くと、両手にたっぷりとゲロを吐いて、その中に顔を埋めるようにしてまだ吐いている。顔を上げさせるとおでこや口の周りはゲロだらけ。丁度明日の時間割をしていたと見えて、ゲロを貯めた両手の下にはランドセルと教科書が・。ポタポタと教科書の上に落ちるゲロ。レアの肉の臭いが部屋中に立ちこめている。聞けば、食事の後からずっとムカムカしていたそうだ。そんなら、それなりに対処しろよ~。ゲロする直前まで、カズやヒロキと寝室の布団を被ったり投げたりして暴れ回っていたのに。突然こみ上げて来たから間に合わなかったんだろうけど、せめて部屋のゴミ箱にでも吐くとか。教科書の上に吐かなくても・・。お風呂でシャワーを浴びさせて、ゲロにまみれた寝間着を洗って洗濯機に入れ、汚れた教科書を水洗いしてドライヤーやアイロンを当てて乾かす。良かったよ~年度末で。これが4月だったら後1年ゲロ教科書だぜ。昼に、ミスタードーナツを食いまくっていたしね。これからはちょっと考えて食べなさいね。そんな訳で、折角の松阪牛の夜は、とんだ夜になったのだ。この土日はミドリちゃんデーだったな。ショックのせいか、今日はカズと一緒に学校を休んでいた。明日からは元気になるんだぞ。美味しいステーキの焼き方を勉強しておくね。