終春一番
ハルイチが今年で最後になる。先日徳島に来たazumiにそのことを聞きました。今日、ネット検索でそのお知らせを見て改めて終わるのだと思いました。1960年代の終わりだったと思うが、アメリカでウッドストックと言う大きな野外コンサートが開催されました。その模様を映画で見た、福岡風太と言う1人のサラリーマンが、日本でもこんな野外コンサートをやろうと思い立ちました。風太が入り浸っていた大阪の喫茶店「ディラン」には、その店の名前の通り、ボブディランのフォロワーの大阪のミュージシャンが集っており、彼らとともに手作りではじめたのが「春一番」と言うライブコンサートでした。主題歌を作ったのは、蔵さんこと西岡恭蔵、今はハンバートハンバートがこの歌をカバーしています。1975年に天王寺野外音楽堂で始まったこのイベントは、1979年に一旦終了となりますが、祝春一番と名前を変え、服部緑地野外音楽堂に場所を変えて、1990年に再開されました。風太と共に、浅川マキや山下洋輔トリオのマネージャーをしたりしていた、阿部登が運営、司会に加わり、ハルイチは2人の頭を持つイベントとして続きました。風太とアベちゃん、2人の目利きが選んだミュージシャンは、60年代から活躍するベテラン、彼らを聞いて育った中堅、そして若手とバライティーに富み、10年ぐらい前からは、大阪のGWのイベントとして定着してきました。私は高校生の頃に、このライブのレコードジャケットを見て憧れ、2005年頃より、このライブに出掛けるようになりました。当初は家族に遠慮して、1日程度でしたが、この10年近くは、ほぼ3日間通しで通っています。5月の空に沈丁花の花が舞い、その青空に応学が吸い込まれていくのは本当に気持ちの良い時間でした。azumi、ハンバートハンバート、良元優作、三宅伸治、蠣崎未来など、ハルイチに来なければ出会えなかった素晴らしいミュージシャン達にも出会う事が出来ました。アベちゃんが10年前に肺炎で急逝、高田渡、藤井裕、石田長生など、長いことハルイチを支えてきたミュージシャンも亡くなる方が出て来ました。胃がんで胃を切除し、痩せて杖を付きながらライブを運営してきた風太さんも、そろそろ終わりかなと思ったのでしょう。今年でハルイチは最後になるそうです。終春一番と言う名前になります。コロナが猛威を振るっているかも知れませんが、野外のイベントでもあるし、何とかしてまた3日間、音楽にどっぷりと浸かって来たいと思います。https://shu-haruichiban.jimdofree.com