カテゴリ:地球交響曲
人は、自分の人生を通して著者の心に共感する.....星野さんの著作を読みふけって実感しました。
昨日の続きの感想です。 日記に何度も感想を書いてますが、ここ数か月、星野さんの著作にのめり込んでいます。ここまで夢中になったのは初めての経験.....一体何に魅かれているのだろうとあれこれ考えてみました。 そこで気づいたのは、自分のこれまでの経験を通して星野さんの文章を読んでいることです。変わりゆくアラスカ社会を通して、変わりゆく自分の故郷へ思いを馳せているのです。 ちなみに私は富山県の西側の高岡市出身。生まれ育った所は周囲一面が田んぼ。空気の澄んだ朝は、平野の中なのに(富山湾の向こうの山まで見えるので)360度見渡す限りが山のような景色の良い場所です。 しかも、古くからの慣習が残っている土地でもあるので、アラスカ先住民の生活を自分の経験に当てはめ、なつかしさと同時にこれらの風景がこれからもずっと残っていてほしいという思いが錯綜しているのです。 1.クリンギットインディアンの踊り ⇒ 獅子舞 地球交響曲第三番でクリンギットインディアンの踊りのシーンがあり、それを見て、富山に伝わる伝統芸能の獅子舞を思い出しました。富山では獅子舞はの村の秋祭りに行われるポピュラーなもので、夏が終わる頃の夜にはどこからともなく獅子舞の練習の笛太鼓の音が聞こえてきたものです。(富山県の獅子舞の写真) 2.インディアンのポトラッチ ⇒ 浄土真宗の報恩講 インディアンのポトラッチは、死者の魂を送るための儀式であり、浄土真宗が根強く残る北陸地方にも報恩講(ほうおんこう、「ほんこさま」とも呼ぶ)という先祖供養の風習があります。ちなみに、ほんこさまとはこんな感じです。 3.昔ながらの鯨猟 ⇒ 昔ながらの稲作 ポイントホープの昔ながらの鯨猟。富山ではさすがに鯨は獲れませんが、ここ数年、親の稲作の手伝いをして、昔ながらの田植え、稲刈りを体験しました。機械化が進む中、手作業で米を作る伝統的な農業を残せたらな~という思いがつのっています。 去年の稲刈り 稲を干す「はさ」を父と二人で建てた 4.モンゴロイドのアメリカ大陸への移住 ⇒ 越中富山の薬売り 最終氷期にアジア大陸とアメリカ大陸が陸続きになり、アジアのモンゴロイドがアメリカは移住しました。その移動のエネルギーは何だったのかを想像すると不思議な気持ちになります。レベルは違うけど、江戸時代から始まった越中富山の薬売りは、すさまじいエネルギーで日本国中を行商しました。見知らぬ土地の開拓精神、このエネルギーはどこから来るんだろう。ちなみに私の父親は越中富山の薬売り(いちおう現役)。 アラスカの犬ぞりがスノーモービルに変わったように、富山の場合もそれぞれに昔ながらのスタイルから現代的なスタイルに変わりつつあります。しかし、スタイルが変わることで、昔ながらの価値観が徐々に失われ、日本の他の地域と同じように均質化の方向に向かっているように思えます。 星野さんは、アラスカの先住民は自分達の文化を見直し、自分達の文化に還ることで自信と誇りを取り戻しつつあると書いてました。そういう点で言うと、富山を含め日本の地方では過疎化や経済的な停滞により自信を失っているように見えます。 日本の地方の文化を見直し、地方の人々が自信と誇りを取り戻すことが必要なのではないか、ということを星野さんの本を読んで再認識させられました。(機会があればもうちょっと書いてみたいと思います。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[地球交響曲] カテゴリの最新記事
|
|