テーマ:トライアスロン!(65)
カテゴリ:トライアスロン!
10/3(日)の千葉国体トライアスロン競技では、通常のトライアスロン選手権大会に加えて特別ルールが設けられます。
特別ルールの中でも特徴的なのが、バイクが周回遅れになった選手の扱いです。 通常の選手権大会の場合、周回遅れになった選手はそこで棄権扱い(DNF:Do Not Finished)とされてしまいますが、今回の国体の場合は、周回遅れになったとしてもそのまま競技を継続できることになっています。 これは、各選手は県の代表であり、全県が平等に競技を終える機会を提供することが大事であると考える「国体」という大会のカラーであると言えるかもしれません。 ちなみに、国体でトライアスロン競技(51.5km)が始まったのは、昨年の新潟国体からで、私も視察に行ってきました。 出場した選手は、オリンピック代表を狙う選手から、一般の選手より「やや速いかな」ぐらいの選手まで、(各県のトライアスロン競技のレベルを反映して)実力差が大きかったのです。 しかし、どの選手も「県の代表」という看板を背負って競技しているので、大会前から熱が入っています。さらに沿道の観客(ゼッケンに県名が入っていることもあり)「○○県ガンバレ!」と声を張り上げ、それを聞く選手もますますやる気が出る、、、まさに国体特有の雰囲気がかもし出されていました。 そのような背景もあり、今年の千葉国体でも「周回遅れになった選手も完走させたい」という意見が多数あり、千葉国体では自転車が周回遅れになっても完走させる、という方向で検討が進みました。 言うのは簡単なのですが、実は審判する方にとっては難しいんですよ。 トライアスロン競技の自転車では、後ろの選手にくっついて走ることを「ドラフティング」と呼んで禁止しています。(前の選手を風除けにして楽に走ることになるからです。トライアスロンは自分の力で完走すること美徳としているスポーツなのです。) ただし、選手権の部ではこれを認めています。(自転車競技に迫力を持たせるためと、一人ひとりがドラフティング違反をしていることを厳密に取り締まれないため、というのが主な理由です。) ところが、周回遅れの選手が先頭集団にくっついて走った場合、これをOKとするかどうか? 選手権なのだからOKとしたい所ですが、遅い選手ほど周回遅れになるのが早くなり、そのまま先頭集団にくっついて(周回遅れは変わらないけど)スピードを上げることができます。 ということで、今回の国体では、周回遅れの選手は(先頭集団などの)周回が早い選手にくっつくのは禁止としています。 ところが、審判から見ると自転車の大集団の中ではどの選手が周回遅れかどうか、きちんと見ていないと分からなくなるんです。いかにして、周回遅れの選手がドラフティングしないようにするかが、今回の大きなテーマにもなっています。 今回はいつもよりも多くの移動審判(オートバイで移動)をコースに入れて、周回遅れの選手を見守る体制も整っていますし、審判員もいろんなケースをシミュレーションして本番に臨みます。また、選手説明会でもその点は入念にアナウンスする予定です。 ただし、(相対的に)順位の遅い選手というのは、どの大会でも基本的に身の程をわきまえている(=紳士淑女レベル?が高い)ので、たとえ監視の手を緩めたとしても違反が起こることは滅多にありません。しかし、審判としてはどんなことがあっても公正なジャッジができるよう準備をする必要があるのです。 大会の事前アナウンスでいかに伝えて選手の自主性を高めか。そして大会当日は入念なシミュレーションでジャッジに臨む。みんなでで知恵を出し合って決めることが審判員の醍醐味なのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年09月21日 00時50分04秒
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