サイゴンから来た妻

妻には弟が二人います。

そのうち、上の弟は妻のきょうだいの中で一番最初に結婚しました。
ちなみに妻は2番目、姉が3番目という順番です。まだ妹2人と弟1人が残っています。

その弟の結婚について、妻から興味深い話を聞きましたので、それを書いてみたいと思います。

義弟(私にとって)が結婚したのは私がベトナムにいた時でした。かれこれ4年くらい前でしょうか。
彼は客観的に言ってDep trai(ハンサム)です。
彼の妻となった女性は愛嬌のある顔をしていますが太めで、正直言いまして一般的にイメージされるアオザイが似合うベトナム美女とは相当タイプが違います。

私の妻がその頃言っていました。

「私の弟を好きな女性はたくさんいるけど、彼は彼女を選びました。彼女の心が綺麗だからです。」

ほうほう、いい話だなあと私は感心していました。私だったら違う選択(俗っぽい選択)をしたかもしれないと思い、恥ずかしくなったほどです。

さらに、最近の妻の話が続きます。

「彼女の父は離婚してニュージーランドに住んでいますが、彼女に結婚相手を紹介しました。多分その人はお金があります。でも彼女は弟を選びました。」

彼女も選択肢の中から今の夫を選んだ訳です。話はまだ続きます。

「私の母は彼女に、弟は収入が多くないから、彼女の父が紹介した人の方が幸せになれると言いました。」

義母の言葉も何と言うか凄いですね。身も蓋も無いと言うか。
それでも彼女は義弟と結婚すると言ったそうです。性格もいい義弟以外、夫には考えられなかったようです。

ますますいい話だなあと思いました。

しかしこの話には落ちがあります。

義弟夫婦は未だに経済的には独立していません。家族の援助があります。
そのため私の妻の家族(女性陣)が彼女に言うそうです。

『あなたは本当に結婚に失敗したわね。お父さんに紹介された人と結婚していれば幸せになれたのに。』

う～ん。義弟の立場が無い。多分冗談混じりだとは思いますが。
でも彼女はやはり自分の夫を心から愛しているようです。偉い！　お金よりハートですよやっぱり。

そして、妻の家族のお金にシビアな話を聞いていた妻の下の弟が言ったそうです。

『ベトナム人の男が結婚できなくなっちゃうよ～。』

考えてみれば私はベトナム男性から結婚のチャンスを一人分奪ってしまったわけですね。
う～む。