ホテルに戻りまして・・・
しばし母とおしゃべり。

「今日は携帯なくすし・・・
　夕食は外すし・・・
　自分が悪いとはいえ、ハノイの印象よくないわ～～」

「FさんとかCさん（ホーチミン人）に、ハノイなんか行くからよ！って言われそうだな。」

・・・なんて話をしておりましたところに。

部屋の電話が鳴りまして。
出ると・・・ホテルのスタッフからではない男性の様子。
たどたどしい早口のベトナム訛りの英語でございます。
「もう一回お願いします。」と数度聞き直すと・・・

！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！

なんてこったい！！！！！！！！！！！！

なんと・・・空港からホテルまで・・・ワタシを乗せた・・・タクシードライバーさんからの電話でした。

そう。

「携帯電話、タクシーの中に忘れたでしょう？
　今から１５分でホテルに行きますから、待っててね」

・・・っていう電話！！！！！！

「さんきゅう！サンキュー！！！　そ～～～～～～～！　まっち。」

・・・と電話を切って・・・思わず叫んじゃったわよ。

「母！！！！携帯電話がっ見つかった！！！！！！！！！」

財布だろうが携帯電話だろうが、なんであろうが。
海外で失くしたものが、出てくるなんてことは・・・本当にごく稀でございます。
ましてやタクシーの中で忘れたものが出てくるなんて！！！

ありえない～～～～～！

「すごい！すごい！すごい！！！」

ちょっと感動して部屋中を飛び跳ねてしまったんですわ。
だって、空港からホテルまでのタクシーの中に携帯を忘れて・・・
その後気付かずに仕事なぞに行き・・・
気がついたのはもう４時間以上が経過したあと。
すぐに、携帯を止めて・・・
ダメ元で、タクシー会社に連絡をしてはいたんですけれど。

完全に諦めていましたのよ。

まさかまさか・・・出てくるなんて。。。

携帯電話が戻ってきた事実より。
携帯電話に気がついてホテルまで届けてくれるドライバーさんがいる事実に感動。

すぐに、ホテルの係に電話をして・・・
「いまから私の携帯電話を、エアポートタクシーのドライバーが持ってきてくれるから
　到着したら、部屋に電話をください。」と伝えると

「OH！！！！今こっちにも連絡があったんですよ！
　こんなこと、普通ありません！あなたは運がいい。
　奇跡です。すごいです。出てくるなんて思わなかったです。」

・・・と電話先の男性スタッフもやや興奮気味。

ワタクシ・・・「ありがとう。ハノイ大好き！良い人ばかりね！」と電話口で褒めまくり。

いやあ。。。
なんだか自分が恥ずかしい。。。
とにかく、空港から乗ったタクシーではドライバーに騙されるんじゃないかってびくびくしてたんですわ。
（だってハノイに来る前に、みんな脅すんだもの）

申し訳ない・・・ごめんね・・・ドライバーさん。。。
ごめんねハノイのみなさん。

先入観だけでモノを見ちゃいかんね。

１５分後の知らせで下りてまいりますと・・・
ドライバーさんが、はにかみつつ携帯電話を差し出して

「ごめんね。ちょっと仕事が忙しくてここに持ってくるの遅れました」

なんて・・・良いヤツ・・・・。。。涙

「ほんと、ありがとう！！！
すごく助かったし、初めてハノイに来て、ハノイが大好きになったよ」

気持ちを伝え、少しばかりのお礼を包んだぽち袋を差し出すと・・・
ドライバーさんは、遠慮がちに受け取って「じゃあね　旅をたのしんで」と
去って行かれました。

ああ。
なんざんしょ。
妙に肩の力が抜けたというか。

１０年ちょい前に・・・はじめてベトナムに到着した日のことを思い出しましたわ。
ホーチミンの空港で、ホテルの迎えの人を探せずにいたら
知らないオジサンに手を掴まれて
「放せ！！！」と叫んでいたらば・・・
名前を聞かれて・・・
一緒に、私の迎えの人を探してくれたんだった。。。。

初めての土地は、知らないだけに・・・妙に気負ってしまいがちで。
誰もかれもが、「怪しいヤツ」に見えちゃいますし。
海外では、基本・・・それくらいの感覚で居たほうがいいんだとは思うんだけど。

でもね。
思いがけない親切に触れると。
妙に、そこが好きになったりするもんなのです。
ハノイの印象がぐっとUP！

今度のホーチミン出張の時。
ホーチミンの友人に「ハノイもすごくいいところだよ。今度一緒に行こう！」と・・・言おう。

なんだか、興奮の夜なのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・
後日談
携帯電話の紛失に気が付いていない数時間の間に・・・（まだタクシー会社に連絡もとってないとき）
友人が、私に日本からメールを送っていたようです。

そうしたらば。
すぐに空メールで返信があったそうで。
きっとドライバーさん。
携帯電話から、落とし主の手掛かりを探そうといろいろ頑張ってくれたんですわね。
なんかちょっとホロリ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



＊アメニティもかわいかったですよ～。
　フランス系のホテルなのでロクシタン。

　「このボディローションよか～～。もろて帰ろう！！持って帰ってよかとやろ？」と母。。。
　
　「かあさま・・・持って帰っても大丈夫だけど・・・
　ロクシタンは日本にも空港にも売ってますから・・・購入しましょう。。。
　アメニティ持って帰るなんて、ここまで来て貧乏くさいことは、おやめなさい・・・」

　・・・なんすかね・・・おばちゃんになるとホテルのアメニティ持ち帰るようになるのは・・・。。。

　ロクシタンは、日本のモノと同じですけれど・・・
　ホテルのアメニティディッシュが陶器でかわいかったです。
　バスルームのグッズは全部陶器の同じ柄でした。＊


つづく。