PET検査の疑問
2017年米国の食品医薬品局(FDA)発表「Full-Body CT Scans - What You Need to Know」(訳:全身CT検査で知っておくべきこと)「その文書には、「(多くの施設がPETと同時に行っているCT検査について)食品医薬品局(FDA)は、症状のない個人の全身スキャンがスクリーニング対象の人々に害を及ぼすよりも多くの利益をもたらすことを示す科学的証拠を知りません。FDAは、そのような医療機器の安全性と有効性を保証する責任があり、CTシステムの製造業者が無症候性の人々の全身スクリーニングへの使用を促進することを禁止しています。」と明言されている。」前出の陣之内医師のワーキンググループが作成した「FDG-PET がん検診ガイドライン 2019」FDG-PETがん検診ガイドライン2019版.pdf (jsnm.org)でも、併用検査に関する詳細は各検査についての文献や指針を参考にすることとして最初に「PET は一度に多くの種類のがんを発見でき、一般にがんの早期発見に少なくともある程度は役立つと期待されるが、他方 PET がほとんど役に立たない種類のがんもあるため、がん検診に PET を用いる場合は他の検査を併用する『総合がん検診』が望ましい」と書いてある。 再発巣・転移巣(再発または他から転移)したがんや、がんのステージ(病期)を調べる目的では非常に役に立つが、早期発見を目的とする検診には向いていないのである。国としても、「PET検診によって、がんがどれくらいの精度で発見され、がんで亡くなる人がどれくらい減少するのかなどは、まだ十分なデータがなく、国が推奨するがん検診ではありません」と明言している。 しかも、PETがあまり役に立たないがんは、ごく初期の原発がん(がんの始まり)、胃がん、食道がん、早期の子宮頸がん、スキルスがん(胃がん、一部の大腸がんと乳がんと肺がん)、腎臓、尿管、尿道、膀胱のがん(腎がん、膀胱がん、尿管がん、前立腺がん)、原発性肝がん(肝細胞がん・胆道がん)、脳や心臓のがん(脳腫瘍、悪性心臓腫瘍)、血液のがん(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫)、5㎜以下のがんなどなど多岐にわたる。がん種ごとの患者数を単純に計算すると全体の80%以上にも及ぶのだ 下記のように理解しました。 1,FDAはPET検査が有効であるとする科学的根拠を持たない。 2,CTシステム製造業者は無症候の人の検査の促進を禁止している。 3,PET検査は早期発見のための検査には十分なデーターがない。 4,PET検査が役に立たないがんはがん全体の80%以上。