|
カテゴリ:カテゴリ未登録
スパークスとペンタックス、HOYAについてのルポが日経に出ていました。
面白いですね。下の記事なんかで見れば分かりますが、スパークスは、受託者責任を果たしているにすぎないんですね。 投資ファンドを毛嫌いする風潮がまだ残っている日本ですが、実は、投資ファンドの背後にいる投資家(年金など)の意向が企業経営に影響を与えているのですよね。投資ファンドの意向というより、お客さんの意向。 企業経営に資本主義的な合理性が求められれば、特にオーナー企業には影響があるだろうし(変な資産を持つわけには行かないだろうし)、投資家(われわれのような上場企業を対象としている)にはプラスだと思いました。 === 攻防ルポHOYAペンタックス(6)株主提案、流れ決める、スパークスに投資家圧力。2007/06/07, 日本経済新聞 朝刊, 11ページ, 有, 1230文字 「本当にやってしまったか」。スパークス・グループ社長の阿部修平(53)は手にしていた高級葉巻コイーバを灰皿に押しつけた。ペンタックスが社長の浦野文男(64)を解職し、HOYAとの合併も撤回した四月十日のことだ。 スパークスはペンタックスの筆頭株主。もともと合併に賛成の立場だったが、四日前にHOYAが合併をTOB(株式公開買い付け)に切り替えると聞き、ペンタックスでもめ事が起きているのを知った。それにしてもと阿部は思った。「ここまでこじれるとは」 最も心配したのは事態が長引き、HOYAが統合をあきらめること。そうなればペンタックスの株価は暴落、資産を預かる顧客からどんな批判を受けるかわからない。案の定、スパークスには海外投資家から「ペンタックスの暴走を許すのか」との声が相次いだ。 翌十一日。新社長の綿貫宜司(54)があいさつにやってきた。応対したのは、投資先との窓口を務める子会社社長の宮坂彰一。阿部から厳命を受けていた宮坂は厳しい姿勢で臨んだ。「合併を撤回するんだから代替案が当然ありますよね」。綿貫は言葉を濁した。 宮坂はその後も会談を重ねる。だが綿貫は「第三者との交渉を禁じる合併基本契約の縛りがあり、代替案は出せない」と繰り返すしかなかった。宮坂は「あれは内紛。新体制に代替案などなく、認めるわけにはいかない」と阿部に報告。経営陣に圧力をかけようと株主提案の検討に入った。 だが株主提案にはリスクもあった。村上ファンドのような、会社と敵対するアクティビスト(行動する株主)とみられれば今後の投資活動に支障が出る可能性がある。しかしこのままではペンタックスの株価下落は避けられない。ギリギリの判断を迫られる中、四月二十五日、同社初の株主提案に踏み切った。 実は決断の過程で阿部が最も知りたかったのが「HOYAは本当にTOBをするのか」。株主提案はHOYAへの援護射撃となるが、TOBを取り下げられては元も子もない。しかもHOYA代表執行役の鈴木洋(48)に直接確認することは立場上不可能だった。 だが関係者によれば阿部と鈴木の元には財務アドバイザーなどを介し、様々な情報が集まっていた。HOYAは二十三日にTOB決議を一度先送りしたが、阿部にはHOYAが早晩TOBに出るという確信があった。こうして決まった株主提案はペンタックス経営陣を揺さぶり、HOYAによる買収が実現に向かう転機となった。(敬称略) 【表】ペンタックスの主な株主 株 主 出資比率(%) スパークス・グループ 23.98 フィデリティ投信 14.03 みずほコーポレート銀行 9.31 ゴールドマン・サックス証券 4.31 ソニー生命保険 4.16 モルガン・スタンレー証券 2.92 りそな銀行 2.89 足利銀行 2.19 三井アセット信託銀行 1.49 (注)大量保有報告書から推定、共同保有分を含む。時期は直近判明時点 【図・写真】スパークス・グループ阿部修平社長 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年06月10日 12時41分52秒
コメント(0) | コメントを書く |
|