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2007.07.25
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カテゴリ:本日のスープ
暑い。

昨日から急に暑くなりました。
まだ梅雨明け宣言はなされていないけれど、
このまま終わりそうな気がしないでもありません。

暑いと頭が回らなくなって食事のメニューを考えるのが億劫なんだよ。

ハテ、今日はどうするべ~

と思っていたら、
おお、いいものがあった。

gas1.jpg

ガスパチョ。
スペインの冷たいスープ。

完熟トマトをミキサーにかけて、
あの方を呼び出して

tool1.jpg

種を取る。

そうしてできたトマト汁に、バゲットの白い部分とオリーブオイル、
にんにく、塩、そして酢を加えてもう一回ミキサーにかけると一丁上がり。

それをキンキンに冷やしていただくのさ。

浮き実には

gas2.jpg

たまねぎとピーマンときゅうりのみじん切りを。

撮影用には浮き実は少ししかのせなかったけど、この後アホみたいに刻んだこの野菜をテンコ盛りにして食べた(飲んだ)んだよ。

にんにくがきいてたまりません。
山盛りの浮き実を入れたこのスープは、

飲むサラダだ。

最初は「スープに何でパンなの?」と思ったけど、
これは、オリーブオイルを分離させないためなんだとさ。

東京に来ることになり、私は持っていた本をほとんど処分してしまったのだけれど、どうしても手放せなかったものに

gas3.jpg

この本があります。

この方は一応日本人であるのだが、
自分のことを生まれる場所を間違えてしまったスペイン人だと思い込んでおり、長いこと日本で不本意な生活を送っておりました。

これは、60近くなってその故郷(?)スペインの小さな町で生活を始めて、そこへ溶け込んでゆくおっさんの日常が淡々と綴られている本なのです。

そのおっさんこと、著者の中丸明さんによると、
このスープは、夏場は気温が52度にもなるアンダルシアが本場なのだそうです。

名前の「ガスパチョ」とは、
アラビア語で「びちょびちょにぬれたパン」を意味するんだと。

ガスパチョのレシピにはいろいろありますが、
大抵は「パンの皮をむいて」とあるのに、この方は「パンの皮をぬがせる」なんて書いてあるところがまたイカしてる。

この本を読んでいると、おっさんの日常はただただ飲兵衛な毎日で、
おまけに「きんたま」なんて言葉がたくさん出てくる一見お下劣な本なので、人に勧めても悲しいかな、あまり(というか、全然だ)理解されないんだよ。

しかしだね、
その後ろにはたくさんの優しさが隠れている実に温かい本なのさ。

おっさんを取り巻く陽気で情の深いスペインの人々。
単身で念願の故郷(?)に住むおっさんに理解を示して支える日本の家族。

そんな優しい人々に囲まれたおっさんもまた、優しいのだ。

大して起伏のない飲兵衛のおっさんのダラダラ日記ともいえるこの本。

しかし、
ここには愛がいっぱいあるんだよ。
ただただ愛なんだよ。

愛なんてこっ恥ずかしい言葉はあまり人前では使いたくないが、
この本にだけは使えちゃうんだよ。

ああ、暑い。
これでも読んでせめて気分はスペインだ。

gas4.jpg


本日の葛飾区の最高気温 30℃ 晴れ





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最終更新日  2007.07.25 20:02:58
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