テーマ:恋愛について(2608)
カテゴリ:。。。にゃんこの独り言。。。
証(しるし)
彼女が助手席に乗り込むと、 彼はすぐ抱き締めてきた。 「会いたかった」 彼は彼女の髪を撫でながらそうつぶやいた。 「びっくりした」 彼女は彼の胸に顔を押し当て、クスッと笑いながらつぶやいた。 彼は彼女を驚かそうと、病院を抜け出して来たのだ。 彼女の髪を撫でながら、おでこにそっと唇を押し当てる。 再び、ぎゅぅと抱き合うと、彼の手が彼女の頬に触れ、 彼女の唇に優しいキスを贈った。 彼女は彼の首筋にキスをしながら、思いっきり吸ってみた。 焦る彼。 悪戯っぽく笑う彼女。 「証(しるし)、付けたいの?」 彼は少し困ったように笑いながら聞いてきた。 「付けたい」 彼女は笑いながら答えた。 彼は首はダメだからと、シャツを引っ張り胸元を指差しながら言った。 「ここなら付けていいよ」 彼女は彼の胸元に唇をつけて強く吸った。 ちゅぅぅっ! 小さな赤い証が付いていた。 「僕も付けたい」 彼はそう言うと、彼女の胸元を強く吸った。 同じような赤い証が付いた。 二人は顔を見合わせて、小さく笑った。
彼と彼女には、同じ場所にお互いの証(しるし)が残っている。
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