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カテゴリ:教育に思うこと
「幼稚園を義務教育化」のニュースはあちこちのプログで取り上げられていて、これがきっかけで子どもがいない人の目も幼児教育に向けられたのはいいことだなあ~なんて思いながらいろいろ読ませてもらった。
具体的にどうしていくのか、保育園との関係も含めて、ちっとも方向性が見えないから、現時点では何とも言えないんだけど、いろんなプログを読んで気になるのは、「幼稚園は」「保育園は」という言い方。 どうして人は「幼稚園」と「保育園」という実におおざっぱなくくりで比較するのだろう?しかもその人が「幼稚園は」「保育園は」と言うとき、その根拠は自分が知っている範囲のこと、せいぜいほんの何園かのことだろうに。 保育時間や形態は幼稚園と保育園で区分できるけど(それさえ最近はあいまいになってる気もする)、方針は幼稚園だから保育園だからといって明確に違うかというとそんなことはない。 幼稚園でも遊び中心のところもあれば、バリバリ早期教育しているところもある。保育園も同じでいろいろある。しつけに厳しいところもあれば、そうでないところもある。家庭環境もいろいろで、落ち着いた家庭の子が多い園もあれば、しんどい家庭の子が多い園もある。それを全部ひっくるめて、あっさり「幼稚園は」「保育園は」と言えるのかな? さらにいえば、幼児期に机に座って勉強するような習慣があったから小学校に入ってもOKというものではなくて、幼児期に存分に遊んでいた方が大きくなってぐっと伸びるのかもしれない。しかしそうでないかもしれない。遊びを通して真の意味で知識や意欲を身につけさせるのは、机に座って教えるよりもずっと難しい。放任なだけで何も学んでいないことだってあり得る。それこそ教師の技量次第だ。 こういう仕事をしていると、よく人から「幼稚園と保育園とどっちがいいか、公立と私立とどっちがいいか」なんて聞かれるけど、二者択一で選べるものでもない。私は公立幼稚園に勤めていて自分で最善と思える保育をしているつもりだけど、自分の子どもは保育園に行かせたし、その保育園もいい保育をしてくれた。 幼稚園にも保育園にもいろいろあるから、私個人としてはおすすめなところとそうでないところがあるけど、私がすすめないところに行ったとしても、人生に重大な悪影響があると思うわけではない。 結局は親と子どもたちがその園のいいところをどれだけ生かせるかだと思う。(言うまでもなく、とても劣悪な環境の園は問題外...(^^;) 幼稚園の先生や小学校の先生の中にも、「○○幼稚園出身の子どもは...」とか「○○保育園出身の子どもは...」という言い方をする人がいるけど、そういう目で子どもたちを見るのもどうかと思う。ある園の子どもが落ち着かなくて授業に集中できないとしても、その園はもしかしたら、しんどい家庭やしつけができてない家庭の育てにくい子どもたちを精いっぱい育ててきたのかもしれないし。 どんな保育が一番いいか、なんてはっきりした根拠も信頼できる追跡調査の結果もないから難しい。画一化されてしまいたくはないし、かといって園によって格差がありすぎるのもよくないし...。制度にとらわれず、子どもたちがみんな自分に一番合った保育を受けられる日がくればいいなあ...。(いつのことやら) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.01.05 07:56:31
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