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テーマ:普通に生きない♪(404)
カテゴリ:想い
この日記は「愛娘(第1話)」の続きです。
そして、この日記は2004年11月に掲載しましたものの再録です。 ========== 話は飛びますが、銀行にて●美ちゃんが必要とする金額を引き出して岐路につくボク達。 今まで心なしか青かった●美ちゃんの顔色が綺麗な肌色に戻ってきていることに気づき安心するボク。 金額的には大したものでは無かったのですが、理由も聞かずに●美ちゃんを帰してしまうのも心配。 何が心配かと言えば、青い顔をして借金を申し込んできた理由なのですが・・・・ そんなこんなでボクの自宅に向かって車を走らせていました。 しかし、理由も聞かずに貸そうとするボクも相当に変わり者ですよね。(笑) でも奈菜ちゃんやボクに相談してきてくれたことが嬉しくて、思わず貸してしまったというのが正直な所。 「●美ちゃん、のど渇かない?」 『さっきコーヒー飲んだばっかりですよ。』 「お茶を飲みたくなってしまったから・・・・ちょっと車を停めるね。」 『ヒロさん、良く水分摂りますねぇ。』 車の中での沈黙に耐えかねて、それを打ち破る理由から思いつきで話題を振ったボク。 本当はお茶なんて飲みたくもなかったのですが、思いついた話題がそれだけでして。(笑) バス停の脇に飲料の自販機が見え、丁度その辺りの路側帯が広かったので、そこに停車させるボク。 『あたしが買ってきますぅ。お茶って緑茶ですか?』 「そんな、いいよ。悪いから・・・・」 『車通りが激しいですから右のドア開けたら危ないじゃないですかぁ。』 「大丈夫だよ。わざわざ路側帯が広がっている所に停めたから、右から降りても本線にはみ出ないよ。」 『緑茶ですよね? 温かい方がいいですかぁ?』 「うん、温かいの。」 何だかんだで目の前にある自販機に買いに行ってくれた●美ちゃん。 『はい、どうぞ。頂いてください。』と、助手席に戻ってきた●美ちゃん。 「もらっちゃっていいのかな?」 『はい、もらってください。温かいうちに頂いちゃってくださいね。』 「あのね、●美ちゃん・・・・」 『はい? 何ですか?』 「“頂く”は謙譲語だから、そういう場合は“召し上がれ”と言う様にした方がいいよ。」 再びの沈黙が嫌だったので、上手い具合に話題を掴んだボクは“それ”をネタにしたという訳です。 そして、走る車の流れが途切れたのを見計らって本線に戻り我が家を目指して走り出すボク達。 『そうなんですかぁ? でも、缶の横にですね、“美味しく頂けます”って書いてありますよ。』 「ん? そうなの?」と、その缶をチラっと見るボク。 「なるほど。これは“結果報告”だよ。」 『へ? 何ですか? それ?』 「意味としては“飲んでください”という意味ではなくて“美味しく飲めます”と読めるでしょ。」 『え? 美味しく飲めます・・・ですか?』 「“美味しく頂けます”は謙譲語になっているのだけれど、これを常体語で言ったらどうなるかな?」 『ジョウタイゴって何ですか?』 「えっとね・・・・何て言ったら分かり易いかな? そうだ、タメ口だよ。」 『タメグチですか? “美味しく飲めるよ”って言いますね。』 「でしょ? ほらね、結果報告でしょ。」 『あー、ほんとですねぇ。』 「つまり、“飲んでください”とは言っていないで“飲めますよ”と言っているに過ぎないでしょ。」 『言われてみれば・・・“美味しく飲んでください”になってないですね。』 「買ってもらうに当たっての営業トークの一種だよ、それは。」 『営業トークですか?』 「つまり、買ってもらう前に読んで貰う“お品書き”で“解説状態”の文章なんだよ。」 『うーん・・・・なるほどですね。流石は会社経営者ですね。読みが深くて速いですね。』 「吹けば飛ぶような零細企業だけどね。」 『あはは。そんなこと無いですよ、ヒロさん。』 話が乗って、心底ホっとするボクです。 「だから、その缶には“お召し上がりください”とは書いていないというわけだよ。」 『うーん、なるへそぉ・・・・』 「飲めるの謙譲語は“頂ける”だよ。それを“です・ます調”にして“頂けます”と丁寧にしている。」 『そういうことだったんですかぁ・・・・』 さてさて、何だかんだで他愛の無い話をしているうちに我が家に到着してしまいました。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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