トラテトルコツアー Visita guiada en Trlatelolco
時折「夢を見ているのではないか」・・と思うような日々は突然はじまります。刺激的で新しい体験に身を任せつつ気が付くと感覚が馴染んできて、そんな日々が普通になっていく・・ ひたすらサッカーを見つめる今日この頃ですが、大学で再び打合せがあり、まるで時計を巻き戻すかのように新しいプロジェクトを煮詰めつつあります。 テーマは1968、=生まれた年に、メキシコでオリンピックが開催されました。もちろん記憶には全くない出来事なのですが、オリンピックの痕跡は街中に残っています。世界から寄付された現代彫刻、そして各地にある素晴らしいオリンピックスタジアム(つい最近、初めて入ることができました) ここで開催されたオリンピックの事について少し調べてみると、当時アパルトヘイトを非難されていた南アフリカの出場をめぐって各国がボイコットしたり、優勝した選手が人種差別に抗議したり、とにかく世界的に様々な抗議運動が盛んだった時代に開催されたため、競技の結果プラス多くの社会的な歴史が刻まれています。その中心は何時の時代も学生。しがらみのない、自由で、純粋で、元気な学生が世界各地で新しい社会を模索していた時代。それを鬱陶しいと思う権力者を中心とする大人の社会があり、1960年代後半から1980年代にかけて、それを抑えるために行われた数々の惨事。そこには必ず日向的スポーツイベントが開催され、人々が盛り上がる中、影では学生が蒸発したり、抹殺されたり、そんな日向と影の交錯する歴史的な場所 Tlatelolco で文化センターのガイドさんによるツアーが開催される情報を見つけて駆けつけました。非常に多くの方が参加していることにマズ驚きました。「このTlatelolcoに一度も来たことがなくて、訪れる良い機会と思って駆けつけた」・・そんなメキシコ人の方が多かったようです。人によっては敢えて近づかない、、といっても過言でない場所。 旧くは商業的な場所だったため、政治的な権力を誇る場所ほどの破壊は行われなかったものの、歴史的にはスペインの宗教を通じての破壊があり、ここの「聖地」にある建築の石を使って教会が建てられ、元々信じているものを否定され、従わないものは監獄へ、、そんな歴史を踏まえたシケイロスの作品が展示されていました。 見たことのない作品に感動、、強烈なメッセージに呆然。そしてココで起きた1968年の惨事についての解説。広場には記念碑が建てられています。とっても悲しい話を聞いている間、今となっては住民のオアシス的なスペースとなっているため、多くの方が犬を連れて通過していました。 中には羊飼いのように4匹以上の犬を連れてくる方もいて、他の犬同士の交流も含めて、見ているだけで心温まる一時。追悼の意味も踏まえ公園には、多くの平和祈願モヌメントが設置されています。広島のことに心を痛めたメキシコの医師団により設置された彫刻や記念碑、鐘、、野外劇場やクプラといわれる円形施設など、本当に多くの願いと記憶が刻まれている、今となっては人々が穏やかに散歩できる場所。 最後は1985年のメキシコ大震災で非常に大きなダメージを受けた、Tlatelorco の住宅について。あの有名なオペラ歌手Placido Domingo氏の家族もココで被害にあったそうです。現在は地震対策として特別な建築様式が地下の設計に取り入れられているので大きな地震がきても以前のようなことはない、、とされています。Tlatelolcoツアーの後、1968年の惨事についての資料館に入場。1968年までの経過、その後の経過、など実に詳しくまとまっていて、惨事が起こるまでの詳細を世界レベルで知ることができます。若者は何時の時代も冒険家、古い形に納まって保守的、利己的にな大人に挑戦、そんな活性化を抑えるための犠牲、、来年50周年を迎えるということで様々な企画が準備されています。佐野まりhttp://www.facebook.com/danzacharango