芸術批評について Expeliencia de Raquel Tibol Conflontaciones
引き続き濃厚な学びの機会がMUAC 国立自治大学のコンテンポラリー美術館で開催されました。再びアルゼンチン出身でメキシコ国籍となった名評論家 Raquel Tibol ラケル・ティボルさんについての考察。個人的にラケルさんの本を集めているのですが、彼女は40冊に及ぶ書籍を発表、メキシコ壁画運動の芸術家シケイロス、オロスコ、タマヨ氏と深く交流。そもそもメキシコにはチリに滞在中にディエゴ・リベラ氏と出会い、フリーダと暮らした観光名所の「青の家」に滞在、ディエゴ・リベラの秘書としてメキシコ生活を始めるという、輝かしいメキシコでの人となりを土台にメキシコを代表する批評家に登りつめ、91歳で亡くなるまで頭脳明晰、本の出版だけでなく、ピカソ追悼の美術展をコーディネートなど多くの偉業を残し、メキシコが誇る200人の1人にも選ばれています。そんな彼女の仕事や人となりについて2日間に渡り、多くのスペシャリストが集結。各自の見解や研究が発表されました。実際にRaquelさんと関わった方の芸術家の方々、Magari LaraさんやCarlos Munosさんの発表に特に心打たれましたが、批評家として活躍する方々の見解はポジティブなものばかりではなく、さすがに登りつめるだけあって衝突も絶えなかったようで、個人的には尊敬と憧れのみだったので多少ショック・・特にアルゼンチンの芸術家マルタ・ミヌヒンに対して行った酷評・・ 親しかった美術批評家のベルガラ・レウマンさんが愛してやまない芸術家で、スタッフからもマルタさんの制作舞台裏も伺って、実際に御会いした際にも好印象な方。多くの人と分かち合う面白さとアイディアは抜群の輝きを放ち、アルゼンチンでは常に反響が高い方。 何となくRaquelさんの好みでないことは想像できますが・・個人的には作品を見る前に批評は見ません。自然で純粋な感動や感想を大切にしたいので・・ ただ見終わって暫くしてから「批評」を読んでみたい。ラケルさんの批評なら尚一層ふかめることができるはず・・ そんな信頼できる批評家の方の存在は、文章力と研究、そして作品に対する愛情に尽きると思うのですが、Raquelさんはドキュメンタリー作家のように生きる歴史を広げる方でした。 そこにビジネスや政府、交友や競争が絡んだりすれば、きっと微妙で繊細な流れがあるはず。そんな舞台裏を10時間以上に至り「聞き耳ダンボ」な一時。 なにはともあれ、純粋にラケルさんの本を読むに尽きる・・ということに個人的には辿り着きました。2日間の帰り道、夕暮れの素敵な景色・・サボテンが光り輝いていました。Viva Mexico メキシコに感謝の日々 to be continued..佐野まりFacebook / danzacharango Instagram / amistadmusical